俺ガイル ss 邪魔。 八幡「間違いなく、俺の本物はこの家にある」【俺ガイルss/アニメss】

一色「・・・・・ただいま。」

俺ガイル ss 邪魔

05 ID:qFNXs88do 『距離』 八幡「……」カキカキ 不知火「……」ジーッ 八幡「……」ムムム 不知火「……」ジーッ 八幡「……」 不知火「……」ジーッ 八幡「……」チラッ 不知火「……」ジーッ 八幡「……おい」 不知火「はい」 八幡「……さっきから見すぎじゃね?」 不知火「……そうですか?」 八幡「いや、つうかさっきより近くなってるから仕事に集中出来ないっつうか……お前の分の仕事はどうした」 不知火「もう終わらせましたが?」 八幡「やっぱ優秀過ぎるわ俺の秘書艦。 俺から離れてくれたらもう最高なんだが」 不知火「不知火は貴方の秘書艦ですから。 しかし、そうやって褒めて頂けるのは悪い気はしません」 八幡「うん、でもちょっと難聴なんだよなあ。 88 ID:qFNXs88do 『旗艦』 不知火「司令」 八幡「……」カキカキ 不知火「司令」 八幡「……」カキカキ 不知火「……しれぇ」 八幡「……」カキ、カキ 不知火「なんだか無性に、司令に襲われそうだと叫びたくなりました」スッ 八幡「待て。 分かった俺が悪かった何でも聞きますから」 不知火「次、不知火を意図的に無視したら実行します」ナミダメ 八幡「……分かった」 不知火「では司令、一つ質問があるのですが」 八幡「ん」 不知火「貴方の秘書艦は基本的に不知火です。 間違いありませんね?」 八幡「そうだな。 出会ってすぐに秘書艦に任命した。 78 ID:qFNXs88do 不知火「最近、司令は旗艦を不知火に任せてくれません」 八幡「……あー」ポリポリ 不知火「以前は司令の気紛れを混ぜつつも旗艦は交代制だったのに……何故ですか」 八幡「気紛れじゃねえよ、一応俺も考えてだな……」 不知火「何故ですか」ズイッ 八幡「……や、言ったら絶対お前怒るぞ」プイッ 不知火「……教えてください」ジーッ 八幡「あー……あれだよ。 なんていうか、お前を旗艦にすると、な」 不知火「はい」 八幡「沈め沈めって、怖い」 不知火「はい。 63 ID:qFNXs88do 不知火「……そういえば司令。 先程も気になる事を言っていましたね」ボソッ 八幡「ひゃ、ひゃい」ビクッ 不知火「ちょっと詳しく尋問 物理 したいので不知火の部屋に移動しましょう」ニコリ 八幡「は!?いや、女の部屋で二人きりとかぼっちには難易度が、って腕掴むな待て不知火!」 不知火「……不知火に落ち度でも?」ギロッ 八幡「……ないです」 雷「あーっ!また司令官が連れ去られてる!」 電「はわわ……引き摺られてる司令官さん、出来れば助けたいのです」アタフタ 雷「無理よ、相手は不知火だし」キッパリ 電「なのです」コクリ 八幡「おい。 聞こえてるからな?諦め早すぎねえ?」 不知火「あら。 何か言いましたか」ニコッ 八幡「あ、いえ」 この後滅茶苦茶尋問 物理 された。 93 ID:qFNXs88do 八幡「ぐふぇ!」ドサッ 鈴谷「ありえないっ。 73 ID:qFNXs88do 八幡「お前……今の状況分かってんのか」 鈴谷「っ!?な、なに?」ピタッ 八幡「いやな?このままだと、今のが艦内放送で流される事になるかもしれない可能性があるんだが」 鈴谷「っ……私を脅してるつもり?」 八幡「人聞きの悪いことを言うな。 ただ、ちょっとしたお願いがあるんだよ」ニヤ 鈴谷「なんか笑顔も言い方もキモいんだけど……」 八幡「おいこら。 マジで流すぞこれ」 鈴谷「チッ……で、私はなにすればいいの?脱げとか言ったら蹴り上げるよ?」 八幡「露骨な舌打ちやめろや泣くぞ。 あと蹴り上げるって何をだ」 鈴谷「なにって、決まってるじゃん」 八幡「こえーよ。 ……で、コレを処分する条件だが」 鈴谷「やっぱ脱げばいーの?」 八幡「お前本当は脱ぎたいの!?俺が喋ってんのにわざわざ挟むとかどんだけだよ!?」 鈴谷「ばっ、違うし!何言っちゃってんの!?」 八幡「……はぁ。 もういい。 取り敢えず、条件としてお前は明日一日俺の秘書艦な」 鈴谷「……へ?……秘書艦?」キョトン 八幡「そうだ。 俺の秘書艦として……俺を守ってくれ」 鈴谷「……ごめん。 全然理解が追いつかないんだけど」 八幡「明日……恐らく不知火が俺に何か仕掛けてくる。 さっきから扉の隙間から誰かの視線が……」 鈴谷「あれ?この視線私に向いてる……?」 鈴谷「提督また同じの飲んでる……。 それ、美味しいの?」 鈴谷「別に欲しいわけじゃないけどー……。 ……あれ。 さっきより視線が」 鈴谷「提督ぅー、そろそろ晩御飯の時間だよー?」 鈴谷「今日のカレー美味しかったぁ!相変わらず視線はあったけど……」 鈴谷「ねぇねぇ、てい……八幡。 その、まだ視られてるけど寝る時はど、どーすんの?」 鈴谷「う、うっさい!心配してあげたのにもういい!私帰るから!」バタン 八幡「なんなんだアイツ……。 96 ID:qFNXs88do 一旦ここまで。 艦娘の名前を滅多に呼ばない。 艦娘と妖精しかいない鎮守府でもぼっち。 故に最強。 最強なのに様々な理由で艦娘にボロボロにされる。 不知火とは共感出来る部分が多く友達になろうとしたが今は諦めている。 主に過激なスキンシップが原因。 余談だが、夜戦夜戦と自室にしつこく乗り込んでくる川内を無視し深夜アニメの視聴を続けていたらいつの間にか一緒に見るようになっていた。 夕張も一緒に見るようになっていた。 ぼっち。 八幡のとある事情を知る一人。 精神的にも肉体的にも八幡に迫る。 ぐいぐい迫る。 だが最近はこれではダメだと漸く気づいた模様。 余談だが、最近は小説を読むことを日課にしていてその時は眼鏡を掛けている。 八幡曰く、世界水準軽く超えてる。 艦娘に連行される八幡を見ても、相手が悪いとあっさり見捨てる。 だが艦娘にボロボロにされた後の八幡をケアするなど抜け目の無さも伺える。 余談だが、作者の鎮守府にはまだ暁が来ていない。 八幡の苦手なタイプ。 最近めでたく不知火にライバル認定された。 八幡に苦手意識を持たれている事を察したのか出会った当初はコミュニケーションを図るため積極的に話しかけていたが、会話の中で冗談のつもりで目がキモい行動がキモい言動がキモい等言ってしまい、実は本音も混じっていた所為で色々と堪え切れなくなった八幡と一悶着有り、今は一応の和解をしたものの出会えば互いに牽制し合っている。 余談だが、嫌よ嫌よも好きの内どころか二人きりの時は提督ではなく「八幡」と呼んだりもする。 他にも登場予定の艦娘はまだまだいますが取り敢えずこれだけ。 先日秘書艦をした彼女のミスの所為で、思ったより時間が掛かりました」 八幡「……そうか」 不知火「構いません。 これも不知火の仕事ですので」 八幡「仕事、ね。 ……俺も一段落着いたし、そろそろ休憩にするか」ハフゥ 不知火「そうですね。 食堂に向かわれますか?」 八幡「ああ。 だが、ちょっと疲れた。 仕事は嫌いでも不知火は好き、と」 八幡「言ってねえよ」 不知火「むぅー」 八幡「あざとい。 お前のキャラじゃない。 飯行こうぜ」 不知火「ま、待ってください」 不知火「ではせめて。 司令が嫌いな、仕事をする理由を教えてください」 八幡「っ……それも」 八幡「それも、前に言ったから駄目だ」プイッ 不知火「……そうですか」 不知火「分かりました」クスッ 八幡「……これも先に言っておくが、国の為とかお前達の為とかじゃないぞ」 不知火「ええ、ええ。 分かっていますよ」 八幡「……もういい先に行く」ガタッ 不知火「あ。 うん、落ち着け俺」 羽黒「は、はい……」 八幡「……よし」 八幡(もう一度状況を整理しよう) 八幡(何故、俺達しかいない状況で羽黒に服を脱げと言われているのか) 八幡(その解答は少子化防止運動に励むため、では決してなく) 八幡(単純に、先日羽黒が食堂に忘れ物をしたので俺がそれを部屋まで届けてやったら、今日はお礼にとコーヒーを淹れてきてくれた。 が、俺の目の前で躓きコーヒーを盛大に俺にかけてしまったというなんともテンプレな話である) 八幡(突然の事にうわぢゃあ!と盛大なリアクションをした俺だが、俺以上に羽黒が慌てていた) 八幡(もう顔なんか真っ赤で目も漫画みたいにグルグルしててごめんなしゃいとか思わず噛んじゃう羽黒可愛い) 八幡(もう一度言おう……正直、可愛かった。 天使だった。 な?」 羽黒「は、はい。 だからお前も気を遣わなくていい」 羽黒「でも!私、司令官さんにご迷惑をお掛けしたのに……!」 八幡「……結果はどうあれ、俺の為にわざわざコーヒー淹れてきてくれたんだろ?」 羽黒「は、はい。 司令官さんはコーヒーがお好きだと聞いたので」 八幡「じゃあ尚更だ。 今回は運が悪かったんだよ」 八幡「悪いのはお前じゃない」 羽黒「っ……はい。 天使すぎて今度から直視出来ないレベルっていうか俺が浄化される。 浄化されて俺の目もまともにならないかな。 それは流石に無理か。 いやでも羽黒の天使なら、って待て羽黒の天使って何だよ天使の羽黒だろ。 しかし羽黒=天使は数学的にも証明されてるから ry 電「あ。 あれは司令官さん。 ……怖いけどな」 榛名「で、ではさっきまでの話は」 八幡「ぶっちゃけると茶番だな。 あと、まだ二人しか増えてませんが八幡の紹介の補足も兼ねてかるーく紹介。 ある日を境に八幡にコーヒーを毎日持っていくようになり八幡の好感度を上げ続けている。 秘書艦である不知火は当然その光景を毎日見ているが、羽黒の純粋な気持ちには気づいているので何も言わない。 ドジっ子で更に慌てると結構とんでもない行動に出てしまう。 でも、普段はしっかりしてる。 余談だが、作者が初めて羽黒を見た時にもしやと思って「羽黒ちゃんマジ天使」とググったらちゃんとヒットしたのは良い思い出。 八幡の鎮守府に来てから元気になったが目は死んだまま。 本人も気にしている。 だが目が死んでいても提督である八幡の方がやばいので周りは特に気にしていない様子。 余談だが、榛名が逃げてきた鎮守府は提督が告発され新米提督が日々奮闘しているらしい。 煙草は吸いたい時に吸う。 お酒は弱くないが一人では飲まない。 捻くれた性格が少し緩和されている。 今回の八幡の設定は迷いましたが、一応書いておきます。 では、おやすみなさい。 最近の投稿• メタ情報•

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俺ガイル ss 邪魔

67 ID:6QCin5Qo0 小雪「そうよ」 学校から帰ると比企谷小雪と名乗る雪ノ下雪乃そっくりの少女が俺の部屋に居た。 八幡「ちょっと待っててくれ」 小雪「?」 これがドッキリではないかどうか確認するために雪ノ下に電話をしてみた。 雪乃『何かしら?』 八幡「うぉっ!出た!」 雪乃『電話がかかってきたのだから出るのは当然でしょう?』 八幡「……」 ドッキリじゃない…雪ノ下は確かに電話の向こうに居る 雪乃『それで、何の用かしら?』 八幡「……」 じゃあ俺の部屋に居る雪ノ下そっくりのあの子は誰なんだ? 雪乃『比企谷くん?聞いているの?』 八幡「あぁ、悪ぃ…」 雪乃『何の用事か聞いてるのだけど?』 八幡「いや、特に用事は無いんだ。 すまん…」 雪乃『はぁ……用事がないなら切るわね』 八幡「あぁ、すまん」 どういうことだ?ドッキリにしては手が混み過ぎてる。 vip2ch. vip2ch. 44 ID:6QCin5Qo0 八幡「すまん、電話してた」 八幡「えっ…と。 どうやってここに?家の戸締りはしてあったはずだが」 小雪「私は自分のベッドで寝てたはずなのだけど、目が覚めたら部屋の風景が少し変わっていて貴方が入って来たわ」 八幡「風景が少し変わっていた…てのは?」 小雪「置いてる物が少し違うけれど、私の部屋と同じみたいなの」 八幡「……」 似ている部屋くらいはあるだろうが… 小雪「それと、この机」 八幡「机がどうかしたか?」 小雪「私の使っている机と同じ物ね。 私の部屋はパ…お父さんが使っていた部屋で机もお下がりなの」 八幡 今パパって言いかけた? 八幡「質問ばかりで悪いんだが、親父さんの名前は?」 小雪「比企谷八幡よ。 小雪「今日が誕生日だったの」 八幡「よし、帰り方がわからんならここに居ろ。 22 ID:6QCin5Qo0 八幡「お前、好きな食いもんは?」 小雪「えっ…と…たべっこどうぶつ」 八幡「すまん晩飯の話だ」 小雪「か、唐翌揚げ…」 八幡「意外と普通だな」 小雪「唐翌揚げが嫌いな人は居ないと思うのだけれど。 68 ID:6QCin5Qo0 八幡「とにかく小町に電話しとくわ。 血は争えないとはよく言ったもんだ」 小雪「捨て身で我が子に嫌がらせするなんて」 八幡「嫌がらせとは人聞きが悪い。 26 ID:6QCin5Qo0 小町「ただいまぁ~…」 八幡「おう、お疲れ」 小町「だぁ~!!重かった!!いきなり電話かけてきてケーキ買ってこいとか晩御飯唐翌揚げにしてくれとかお兄ちゃん小町的にポイント低過ぎ…」 八幡「これには色々事情があるんだよ」 小町「事情ってなに。 小町が納得できなかったら晩御飯の用意全部お兄ちゃんがやってよね」 小雪「あの…」 小町「はえ?雪乃さん来てたの?」 八幡「それなんだがな小町。 この子雪ノ下じゃねえんだよ」 小町「いや、どっからどう見ても雪乃さんじゃん」 小雪「比企谷 小雪です。 44 ID:6QCin5Qo0 小雪「あの…」 小町「ん?どうしたの?」 小雪「私、料理したことが無いから何をすればいいのかわからないのだけれど…」 小町「え……」 小雪「そもそも家事全般のやり方がわからないわ」 小町「………」 小雪「あの…おばさん?」 小町「あ!ごめん。 いやぁ雪乃さんは家事全般完璧だから意外だなぁって」 小雪「その辺はあまりお母さんに似ていないみたいね」 小町「それでも女子高生たる者家事ができないとはいただけないなぁ~」 小町「ウチに居る間はおばさんがビシバシ鍛えてあげるから!」 小雪「私は将来大黒柱として社会で働くつもりだから専業主夫になってくれる男性と結婚するか、もしくは家政婦を雇えば私自身が家事をする必要は無いと思うのだけれど」 小町「うわぁ…お兄ちゃんの似ちゃいけない所が受け継がれてるなぁ…」 小雪「だから私はパパを手伝いに… がしっ 小雪「!?」 小町「女の子がそんな考えでお嫁に行けるワケないじゃん!ごみいちゃんじゃあるまいし!」 小町「炊事洗濯掃除。 83 ID:6QCin5Qo0 小町「よーしっ!夕飯完成!流石は雪乃さんの娘だけあって飲み込み早いね」 小町「あとは途中でつまみ食いしようとする行儀の悪さを除けば完璧なんだけどなぁ…」 小雪「良質を求めるなら味見が必要だと思って…」 小町「そんな屁理屈ばっか言ってるとお兄ちゃんみたいになるよ?」 小雪「以後気を付けるわ」 八幡「ふぅ~…腹減った」 小町「あ!お兄ちゃん」 小雪「ちょうど夕飯の準備ができたわ」 八幡「げっ……俺だけトマト多くね?」 小雪「そうかしら?気の所為だと思うけれど」 八幡「つーか何で俺のは丼鉢に入ってんだよ。 71 ID:6QCin5Qo0 小雪「大志おじさんとおばさんが結婚するってわかった時にお爺ちゃんとお父さんが怒り狂ったと聞いたから…」 八幡「当然だ。 ていうか付き合ってるとわかった瞬間から怒り狂うぞ」 小町「うえ~…身内に変な人居るって思われたくないからシスコンもほどほどにしてよね」 小雪「そうなる事が皆わかっていたから付き合ってることも隠してて結婚も式の日取りとかお爺ちゃんとお父さん以外で決めて事後報告したとか…」 八幡「あいつ次会ったらブン殴ってやる」 小町「お兄ちゃん人の事言えないじゃん。 雪乃さんと結婚するんだし」 八幡「それはそれ、これはこれだ。 82 ID:6QCin5Qo0 八幡「ここで寝るのか?」 小雪「ダメかしら?」 八幡「俺の部屋なんだけど」 小雪「私の部屋でもあるのだけれど」 小雪「それに父親と一緒に寝るくらい普通よ」 八幡「小さい頃ならまだしも高校生の娘と高校生の親父が同じ部屋で寝るのは普通じゃねぇだろ。 むしろ超常現象だわ」 小雪「お父さんは嫌なのかしら?」 八幡「嫌ってわけじゃないんだが…なんていうか、自分の娘とはいえ雪ノ下そっくりの女子が同じ部屋で寝るのは抵抗があるな」 小雪「そう、なら大丈夫ね」 八幡「おい!せめて自分の布団で寝ろ!」 小雪「このベッドは私の物でもあるのよ?ということはこれは自分の布団ということになるんじゃないかしら?」 八幡「人の都合とか色々無視するその強引な性格は雪ノ下の姉ちゃんだな」 小雪「陽乃おばさんは……ちょっと苦手ね。 可愛がってはくれているんだけど…過剰というか…」 八幡「雪ノ下も俺も苦手だ。 11 ID:6QCin5Qo0 八幡「未来で俺と雪ノ下は死んじまってお前には寂しい思いをさせてるみたいだが、お前のことを心配してくれる人が居るからな」 小雪「お父さんが良いこと言うと何だか気持ち悪いわ」 八幡「娘に気持ち悪がられるのはパパの宿命なんだよ。 ソースはウチの親父」 小雪「昔を思い出すわ」 八幡「ん?」 小雪「私が小さい頃、まだお父さんもお母さんも生きていて。 怖い夢を見た私は1人で眠れなかったからお父さんとお母さんの間に入って三人で川の字で寝たの」 八幡「明日雪ノ下に会ってみるか?」 小雪「お母さんに?」 八幡「ここに来る前に俺達に会いたいって思ってたんだろ?なら雪ノ下にも会っとくべきだ」 小雪「でも、そんなことをしたら未来が変わってしまったり…」 八幡「俺と小町はもう知っちまってるけどお前は消えてないし大丈夫だろ」 八幡「お前は会いたくないのか?」 小雪「会いたい」 八幡「なら決まりだな。 99 ID:6QCin5Qo0 雪乃『何かしら?保険や家庭教師なら間に合ってるわ』 八幡「セールスの電話じゃねぇよ。 俺だ」 雪乃『折田さん?そんな知り合いは居ないのだけれど?』 八幡「そういうのいいから」 雪乃『その声は比企谷くんね。 間に合ってるわ』 八幡「おい」 雪乃『で、何の用かしら?』 八幡「今日ちょっとお前ん家に行っていいか?」 雪乃『怪しい臭いがするからお断りするわ』 八幡「待て、大事な客が居てだな。 お前に会わせたいんだ」 雪乃『大事な客?まさか姉さん?尚更お断りするわ』 八幡「ちげぇよ。 51 ID:6QCin5Qo0 雪乃「こんにちは」 八幡「おう、わざわざすまんな」 雪乃「本当よ。 これで会わせる客は姉さんでしたなんて言ったら由比ヶ浜さんの手料理の実験台になってもらうわ」 八幡「いや、違うから。 しかも何だよ実験台って」 八幡「で、会わせたい客ってのはこの子なんだが」 小雪「こんにちは、比企谷小雪です」 雪乃「!?」 雪乃「ひきがや…こゆき?」 雪乃「比企谷君」 八幡「ん?」 雪乃「私そっくりの美少女を紹介するなんて、何かのドッキリかしら?」 八幡「そう思う気持ちはわかるがドッキリじゃない。 00 ID:6QCin5Qo0 雪乃「つまりは貴女は未来からタイムスリップしてきた私と比企谷君の娘…ということかしら?」 小雪「はい」 八幡「その通りだ」 雪乃「信じられない…と言いたいのが実の所だけれど」 八幡「まぁそうだろうな」 小雪「………」 八幡「ん?どうした?」 小雪「私のお母さんってこんなに美人だったのね…」 八幡「お前ら紛れもなく親子だわ。 しかもお前は写真か何かで雪ノ下の顔は知ってるだろ」 雪乃「私に会いたいと言っていたみたいだけど、会ってどうするつもりだったのかしら?」 八幡「おい、そんな言い方無いだろ。 子供が親に会いたいって思うのは普通だ」 小雪「そうね、いくつか聞きたいことがあるけれど。 まずどうしてうだつが上がらない男と結婚したのか聞きたいわ」 八幡「即座に相手の非を突いてやり返す辺り流石は雪ノ下の子だな」 自分を非って認めちゃうのかよ俺… 雪乃「現時点で結婚するつもりなんて全くないけれど。 92 ID:6QCin5Qo0 小雪「何度か会話に出ているけど、ゆいがはま…さんって誰なの?」 八幡「お前由比ヶ浜知らねぇのか」 雪乃「貴女が知らないということは、由比ヶ浜さんとは疎遠になってしまったということね…」 八幡「由比ヶ浜ってのは俺らの部活仲間で俺の同級生だ」 小雪「それって結衣おばさんのこと?」 八幡「なんだよ知ってるんじゃねぇか」 雪乃「結婚して苗字が変わってしまったんでしょうね。 良かったわ」 八幡「そういうことか。 ところで由比ヶ浜は誰と結婚したんだ?」 小雪「彩加おじさんと結婚してるけれど」 八幡「彩加…おじさん?」 八幡「待て待て……まさかとは思うが、そいつの苗字って…戸塚?」 小雪「そうだけど」 八幡「……………」 小雪「自分が死ぬって聞かされたときより悲愴な顔をしてるんだけど…」 雪乃「放っておきなさい。 59 ID:6QCin5Qo0 小雪「おか…雪乃さんはあまり動じないというか落ち着いているけど」 雪乃「お母さん」 小雪「?」 雪乃「親を名前で呼ぶなんて生意気よ。 ちゃんと呼びなさい」 小雪「お母さん」 雪乃「何かしら?小雪」 八幡「俺はパパって呼ばれてるぞ」 雪乃「そう、何か越に浸ってるようだけど。 どう呼ばれていようが父親なんて娘には煙たがられるものよ」 八幡「そんなことないよな?な?」 小雪「そんなことはないけれど、あまり知り合いには見せたくない…」 八幡「それじゃ生きてても運動会も参観日も行けねぇだろ。 家族が揃ったってのに何だこの仕打ちは」 雪乃「私達はまだ婚姻関係にないのだからその表現はおかしいわ」 八幡「あ?子は鎹って言うだろ。 小雪が居るんだから間違ってない」 小雪「小町おばさんが言ってたわ」 八幡「なんて?」 小雪「いつも仲良く口喧嘩してたって」 雪乃「それは違うわ、言い合いではなく罵倒よ。 比企谷くんはそれで喜ぶから」 八幡「子供に変な事吹き込んでんじゃねぇ」 小雪「知ってるわ、さっきからお父さんが喜んでいるから」 八幡「喜んでねぇよ。 それとパパと呼べと言っただろ」 小雪「嫌よ」 雪乃「小雪」 小雪「?」 雪乃「よかったら私の家に来ない?」 小雪「え……いいの?」 雪乃「母親の家に来るくらい普通だと思うけど?」 小雪「でもお父さんが…」 八幡「俺の事は気にしなくていいぞ、行ってこい」 雪乃「比企谷くんも来たければどうぞ」 八幡「俺はやめとくわ。 43 ID:6QCin5Qo0 小雪「よかったのかしら」 雪乃「何のこと?」 小雪「パパを置いてきてしまったから」 雪乃「本人が居ないところではパパって呼ぶのね」 小雪「!?」 小雪「無意識だったわ…」 雪乃「比企谷くんのことなら気にしなくても平気よ。 彼、蔑ろにされるのは慣れているから」 小雪「そんなつもりはなかったのだけれど…」 雪乃「冗談よ。 07 ID:6QCin5Qo0 雪乃「入りなさい」 小雪「お邪魔します」 雪乃「帰ったら『ただいま』でしょ?小町さんから言われなかったのかしら?」 小雪「ただいま、お母さん」 雪乃「ふふっ、おかえりなさい」 雪乃「ところで私の事はママと呼んでくれないのかしら?」 小雪「え……っと、パパはパパだけどお母さんは昔からお母さんと呼んでいたから」 雪乃「比企谷くんに嫉妬する日が来るとは思いもしなかったわ」 小雪「呼び方が違うだけで両親への愛情に差は無いのだけど」 雪乃「比企谷くんよりも上でないと納得できないわ。 全てにおいて」 小雪「親の意地の張り合いに付き合わされる子供の身にもなってもらいたいわね」 雪乃「ところで少し気になっていることがあるんだけど」 小雪「?」 雪乃「私達が居なくなった後、雪ノ下家の方は貴女を引き取ろうとはしなかったの?」 雪乃「こう言っては何だけど私の実家の方が経済的にも力があるし、母がああいう人だから」 小雪「後から聞いたことだけれど。 13 ID:6QCin5Qo0 小雪「陽乃おばさんが反対したらしいわ」 雪乃「姉さんが?」 小雪「ええ、私はお婆ちゃんに悪い印象は持っていないけれど。 陽乃おばさんは雪ノ下家に居ると真っ直ぐ育つものも育たないって小町おばさんに育ててもらうべきだと」 雪乃「それは私も同意見よ。 おそらく姉さんなりに思う所があったのね…」 小雪「お母さんと陽乃おばさんはお婆ちゃんを良く思っていないかもしれないけど、私を可愛がってくれたから…」 雪乃「……そうね、貴女を可愛がってくれたのならそれでいいわ。 ごめんなさい」 小雪「いいえ、そう思うのは無理も無いと知ってるわ。 お婆ちゃん自身も後悔してるみたいだった」 雪乃「貴女を置いて逝ってしまったのだから私も親として失格だと思うわ。 77 ID:6QCin5Qo0 雪乃「あまり深く考えなくていいのよ。 43 ID:6QCin5Qo0 小雪「ええ、パパにも同じことを聞いたわ」 本当は聞いていないけど 雪乃「比企谷くんが何と言っていたかは私に教えないし、私が何と言ったかも比企谷くんに教えない。 30 ID:6QCin5Qo0 雪乃「頼りになる所……とか?」 小雪「具体的には?」 雪乃「昨日一日比企谷くんと居たならもうわかっているはずよ」 雪乃「彼の頼れる所は見えづらいの。 だから彼をよく知らない人は彼を認めなかったり、或いは批難したりもするわ」 雪乃「それでも彼に助けられた人には見えるものよ。 だからつい甘えてしまう」 小雪「確かに…昨日トマトを食べてもらったわ。 それも小町おばさんにバレないように」 雪乃「それくらい自分で食べなさい」 小雪「嫌よ。 12 ID:6QCin5Qo0 小雪「どうして?」 雪乃「彼にトマトを押し付けるつもりでしょ?」 小雪「パパの話さえしなければこんなことには…」 雪乃「親をからかうからそんな目にあうのよ」 雪乃「貴女の嫌いな食べ物はわかったけど、好きな食べ物は何かしら?」 小雪「唐翌揚げ…だけど昨日食べたから。 そうね…」 小雪「クリームシチューが食べたいわ。 」 雪乃「じゃあ今日はクリームシチューにするわね」 雪乃「作るのはしっかり手伝ってもらうけど」 小雪「…………」 雪乃「露骨に嫌そうな顔しないでもらえるかしら?比企谷くんにそっくりよ、その顔」 小雪「料理は得意ではないから」 雪乃「なら良い機会だから克服しなさい。 貴女が将来お嫁に行く時に料理ができないなんて親の教育が疑われてしまうわ」 小雪「私は専業主夫になってくれる男性と結婚するから…」 雪乃「そういえば貴女の父親は専業主夫志望だったわね」 小雪「私、パパと結婚しようかしら」 雪乃「それは勝手だけど夕飯の支度は手伝ってもらうわよ」 小雪「…………チッ」 雪乃「舌打ちはやめなさい。 75 ID:6QCin5Qo0 雪乃「嫌がっていた割には上手ね」 小雪「できることが好きなこととは限らないわ。 逆もまた然りね」 雪乃「とんだ才能の持ち腐れね。 80 ID:6QCin5Qo0 ~~~~~~~~~~ 雪乃「まさかそのせいで私と比企谷くんは……」 小雪「全然違うわ、後まだ話は途中よ?」 雪乃「ごめんなさい、つい」 小雪「そんな悲惨な結末の話しないわ。 00 ID:6QCin5Qo0 ~~~~~~~~~~ 小雪「でねー、お母さんが美人だって皆が言ってた!」 雪乃「お母さん照れるなぁ」 小雪「でもパパに私とお母さんどっちが可愛いって聞いたら私の方が可愛いって言ってたよ!」 雪乃「むっ!」 小雪「私の勝ちだね!」 雪乃「お母さんも同じくらい可愛いもん!」 小雪「えー!じゃあ後でもっかい聞くから勝負ね!」 雪乃「負けないわよ?」 雪乃「駅に着いたわね。 44 ID:6QCin5Qo0 八幡 28 「雨止まねぇな……タクシー拾うしかねぇか」 小雪「パパー!」 八幡「ん?小雪!どうしたんだ?」 小雪「傘持ってきたよー!」 八幡「迎えに来てくれたのか。 ありがとな」 雪乃「おかえりなさい。 あなた」 八幡「おう、ただいま」 八幡「それにしてもすまんな。 迎えに来てもらって」 雪乃「本当よ。 ダメ雨男は健在ね」 八幡「ダメは余計だ」 小雪「ねぇパパ!私とお母さんどっちが可愛い?ねぇねぇ!」 八幡「ん?そうだなぁ…」 雪乃「………」じーっ 八幡「………うーん、悩むなぁ」 小雪「………」じーっ 八幡「」 何この戸塚より可愛い生き物…抱き締めたい! 八幡「……小雪の勝ち!」 小雪「やったー!」 雪乃「ふーん、今日は晩ご飯クリームシチューだけど。 パパはふりかけご飯ね」 八幡「ごめん。 11 ID:6QCin5Qo0 ~~~~~~~~~~ 雪乃「幸せそうな家族ね。 クリームシチュー要素があまり無いけど…」 小雪「この後家に帰ってパパがご飯にクリームシチューをかけて食べたのを見たお母さんがドン引きして、それをきっかけに両親が大喧嘩したの…」 雪乃「長い前置きから酷いオチね。 流石は比企谷くん」 小雪「まるで他人事のように言ってるけどパパを罵倒して怒らせたのはお母さんの方よ」 雪乃「当然よ、クリームシチューはご飯にかけて食べるものではないのだから。 罵倒の一つもしたくなるわ」 小雪「一つ二つの罵倒ならパパも黙って聞いてたでしょうね……。 私も2人の喧嘩を他所にパパの真似をして食べてみたけど普通に美味しいと思ったけれど」 雪乃「パパの真似はやめなさい」 小雪「お母さんも一回やってみればいいと思うわ。 そうすればあの喧嘩は起きないから」 雪乃「絶対嫌よ。 74 ID:6QCin5Qo0 小雪「そういえば…」 雪乃「なにかしら?」 小雪「両親の喧嘩の後の仲直りは基本的にキスをして終わってるわ」 雪乃「……………」 雪乃「この話は終わりにしましょう」 小雪「お母さんが「ちゃんと愛してるならキスして」ってパパにせがんで」 雪乃「恥ずかしいからやめて」 小雪「それでちょっと困った顔したパパが…」 雪乃「やめて!」 小雪「まぁ嘘なのだけど」 雪乃「……………」 小雪「どこに行くの?」 雪乃「トマトを10コほど買い足しに行って来るわ」 小雪「ごめんなさい」 雪乃「反省することはいいことね。 83 ID:6QCin5Qo0 ーーーーーーーーーーーーー 八幡「だぁーっくしゅんっ!!!!!」 小町「大っきいくしゃみやめてよね。 ビックリするじゃん」 八幡「すまん…」 八幡「へーっくしっ!!!!」 小町「もう……さっきからくしゃみばっかしてるけど風邪?」 八幡「何やらあいつらが俺の事好き勝手言ってるような気がする」 小町「気になるんだ」 八幡「まぁ、ちょっとな…」 小町「お兄ちゃんも行けばよかったじゃん」 八幡「あいつら2人に対して俺1人じゃツッコミが追いつかん」 小町「ていうかまたクリームシチューご飯にかけてるし…」 八幡「悪いかよ」 小町「小町はいいけど嫌がる人も居るしさぁ」 八幡「小町が大丈夫なら問題無いな」 小町「小雪ちゃんが嫌がったら?」 八幡「…………」 小町「嫌われちゃうかもよ?「クリームシチューご飯にかけるパパなんか嫌い!」って」 八幡「それは困るな。 14 ID:6QCin5Qo0 雪乃「ところで貴女が通っている高校はどこのなのかしら?」 小雪「お母さんと同じで総武高校の国際教養科よ」 雪乃「奉仕部は知っているかしら?」 小雪「パパとお母さんと結衣おばさんでやっていた部活ね。 話は聞いてるわ」 雪乃「ということはもう部は無くなってしまったのね」 雪乃「貴女は何か部活はやっているのかしら?」 小雪「私はテニス部に所属してるけど」 雪乃「まさか運動部に入っているなんて…」 小雪「お母さんと違って私は体力にも自信があるわよ?マラソン大会では陸上部にも引けは取らないほどに」 雪乃「悔しいけど私の負けのようね。 73 ID:6QCin5Qo0 雪乃「テニス部ではないけれど私も奉仕部への依頼の関係でテニス経験者とダブルスで試合をしたことがあるのだけどね」 小雪「勝ったの?」 雪乃「一応勝ったわね、最初は善戦したけど後半はスタミナ切れになってしまったわ」 小雪「誰と組んだの?」 雪乃「比企谷くんよ」 小雪「やっぱり」 小雪「パパってテニスできるの?」 雪乃「バカにしているけれど比企谷くんのおかげで勝ったのよ?県選抜にも選ばれるような相手だったわ」 小雪「パパのことだから何か卑怯な手を使ったんじゃないかしら…」 雪乃「そこは否定できないわね」 小雪「使ったのね…」 雪乃「ルールは守ってたわよ」 雪乃「なんだかよくわからないけど変なサーブを使っていたわ」 小雪「依頼というけれどどんな流れで試合をすることになったの?」 雪乃「戸塚くんは知っているでしょ?」 小雪「彩加おじさんよね」 雪乃「彼の依頼で練習に付き合っていたの」 小雪「県選抜の相手もテニス部?」 雪乃「その人は部外者よ。 そもそも部外者のその人達が遊び半分に割り込んで来たから試合をする羽目になったのだけど」 雪乃「葉山くんは知っているかしら?」 小雪「隼人おじさんのことね。 25 ID:6QCin5Qo0 小雪「隼人おじさんと結婚してるから」 雪乃「意地悪されたりしていない?」 小雪「いいえ、普通に良い人だと思うけれど」 小雪「まず優美子おばさんからテニスを教わった身だし」 雪乃「ごめんなさい、そっちではお世話になっているのね。 私、彼女とは仲良くなかったから…」 小雪「優美子おばさんが言ってたわ」 雪乃「?」 小雪「おばさんがヘトヘトになるまで練習に付き合ってくれるから何でそこまでしてくれるのか聞いたの」 小雪「そしたら…」 『昔さ、雪ノ下さんとヒキオに結構助けて貰ったんだ。 あいつらは奉仕部としてやっただけとか言いそうだけど。 あーしは感謝してるんだ』 『そんで後悔もしてる、あーし態度悪かったし。 あいつらはお礼も言えないまま死んじゃったけど、受けた恩はアンタに返すことにした』 小雪「……って言ってたわ」 雪乃「あの人まだ「あーし」が一人称だったのね…」 小雪「反応する所そこなの?」 雪乃「でも、あの人なりに感謝の気持ちは持ってくれていたみたいね」 雪乃「三浦さんのこと、少し見直したわ」 小雪「友達になれるかもしれないわね」 雪乃「それは無理よ」 小雪「…思わず滑り転けそうになったわ…なんでかしら?」 雪乃「照れくさいもの。 三浦さんだってきっとそうよ」 雪乃「だからこのままでいいのよ。 未来の三浦さんに「どういたしまして」と伝えておいてもらえるかしら?」 小雪「ええ、必ず伝えておくわ」 雪乃「時間も遅いし今日は止まって行きなさい。 比企谷くんには連絡を入れておくわ」 小雪「うん、ありがとう。 22 ID:6QCin5Qo0 雪乃「布団出しておくわね」 小雪「お母さんと一緒の布団で寝たいのだけど」 雪乃「私のベッドは一人用だから2人は狭いんじゃないかしら」 小雪「私は狭くてもいいわ。 お母さんが嫌でなければ」 雪乃「仕方ないわね、いいわよ」 小雪「ごめんなさい。 無理言って」 雪乃「ダメと言って引き下がるほど聞き分けのいい子でないことくらい知ってるわ。 06 ID:6QCin5Qo0 雪乃「湯加減はどうだったかしら?」 小雪「それはよかったけれど…」 雪乃「けど?」 小雪「お母さんのパジャマ……サイズが合わなくて…胸が少し苦しい」 雪乃「……ジャージを持ってくるわ、サイズが大きいのがあったはず」 小雪「お母さん、怒ってる?」 雪乃「怒ってなんかないわよ?怒られるようなことをしたのかしら?」 小雪「いえ…身に覚えはないけど、顔が怖いから…」 雪乃「1番負けたくない所で負けたからよ」 小雪「あぁ、胸の大きさで人間の価値が決まるなんてことはないから大丈夫よ」 雪乃「一つ聞きたいのだけど」 小雪「なにかしら?」 雪乃「未来の私は…」 小雪「………うん、何て言うか…うん」 雪乃「」 小雪「いひゃい!頬つねらないれ!はなひて!」 雪乃「貴女がたくさん吸ったから縮んだのよ。 10 ID:6QCin5Qo0 小雪「そうよ、犯人はパパよ!」 雪乃「比企谷くんも吸ったというの?変態ね。 気持ち悪い」 小雪「いえ、そこは知らないけれど。 パパが揉んだから減ったのよ、多分」 雪乃「揉むと増えると聞いたことはあるのだけど」 小雪「えっ?普通に考えれば減らないかしら?」 雪乃「そもそも貴女。 それは、彼と私が…その、してる所を見たということかしら?」 小雪「両親との思い出で唯一消したい記憶ね。 33 ID:6QCin5Qo0 雪乃「姉さんは愛情表現が下手だから…。 52 ID:6QCin5Qo0 雪乃「でも安心したわ。 私と比企谷くんが居なくなってしまっても小町さんも姉さんも母さんも三浦さんも皆貴女を心配して見守ってくれているみたいだから」 小雪「昨日パパも同じことを言ってたわ」 雪乃「私もまだ親になったわけでもなければ高校生で親に頼る身分だけど、そういうものなのよ親っていうのは」 小雪「パパもお母さんも私をあっさり受け入れてくれたけど、普通は自分と同じ年恰好の人間に「娘です」なんて言われても戸惑うばかりだと思うわ」 雪乃「私も最初は疑ったし戸惑ったけれど、ここまで私にそっくりなのだから信じるしかないでしょう?」 雪乃「それに…」 小雪「?」 雪乃「私は嬉しかったのだと思うわ。 妹も弟もいないし、家族とはギクシャクしてしまっている状況で私を母親だと慕ってくれる人が現れたのだから」 雪乃「感覚的には娘というより妹という感じだけど」 小雪「私は両親には会いたかったけれど、自分が過去に来たことは良くないんじゃないかって思ったわ」 小雪「私が来たことで両親が結婚しないんじゃないかとか、小町おばさんと大志おじさんが結婚しないんじゃないかとか色々心配だった」 小雪「でも、いざ両親に会ってみたら案外そうでもなくて私の知ってるパパとお母さんだったわ。 84 ID:6QCin5Qo0 小雪「それは嘘よ。 お母さんはパパを認めてるし、どこか安心したような顔をしてる」 雪乃「娘の目は誤魔化せなさそうね。 実を言うと少し安心してるわ」 雪乃「私の結婚相手は母が決めた人で、私自身も逆らえずに母が決めた相手と結婚するものなんだと諦めていたけど。 未来から貴女が来て私の結婚相手は比企谷くんだと言った」 雪乃「私が比企谷くんと結婚したということは少なからず私の意思で彼と結婚したということだから」 小雪「その話だけど…」 雪乃「なに?」 小雪「……。 やっぱり言わないことにする」 雪乃「何よそれ、気になるから言いなさい」 小雪「教えないわ、未来でのお楽しみよ」 雪乃「言うまでこちょこちょの刑よ!」 小雪「あはははは!やめてぇ!そこダメ!」 雪乃「貴女の弱い所なんてお見通しよ!観念して言いなさい!」 小雪「ぜったい言わない!」 雪乃「ふふふ、なんとなく答えはわかった気がするわ」 小雪「じゃあ未来で答え合わせね」 雪乃「楽しみね」 小雪「ところで、何で私の弱点が脇ってわかったの?」 雪乃「私の弱点だからよ」 雪乃「比企谷くんには内緒よ」 小雪「そうね、パパに教えてあげるわ。 49 ID:6QCin5Qo0 小雪「ただいま…」 八幡「おう、おかえり」 雪乃「こんにちは…」 八幡「ゆうべは随分とお楽しみだったみたいだな雪ノ下」 雪乃「どういう意味かしら?」 小雪「…………」 八幡「俺達の娘の寝相が悪いという意味だ」 雪乃「貴方、知っていて教えなかったのね」 八幡「小雪、母ちゃんとお泊まりはどうだった?」 小雪「……朝までお説教されたわ」 雪乃「当然よ。 52 ID:6QCin5Qo0 八幡「だとよ雪ノ下」 雪乃「あら?貴方のことを言ってるのだと思うけど?鼻の下が伸びてるわよ」 小雪「はぁ………」 八幡「おい、溜め息つくな」 雪乃「では私はこの辺でお暇させてもらうわ」 小雪「お母さん帰るの?」 雪乃「ええ、貴女を送ったら帰るつもりだったから。 昨日は楽しかったわ」 小雪「…………」 八幡「雪ノ下、お前今日は用事あるのか?」 雪乃「いいえ、特に用はないけれど」 八幡「上がって茶でも飲んでいけ」 雪乃「ふふ、ナンパかしら?」 八幡「どこがだよ」 雪乃「比企谷くんのお誘いに乗るのは釈ね」チラッ 小雪「?」 八幡「可愛くない嫁さんだな」 小雪「私はもうちょっとお母さんと居たい」 雪乃「小雪の頼みなら仕方ないわね。 97 ID:6QCin5Qo0 その日の夜まで雪ノ下は俺の家に居た。 小雪と小町と雪ノ下の3人がかりでいじられると多勢に無勢でツッコミも追いつかない。 晩飯を4人で食べ、娘とトマト押し付け合いをして小町と雪ノ下に親子で説教をされる。 雪ノ下を家まで送った後小雪は満足そうな顔をしていた。 てっきり寂しそうな顔をすると思っていたが、どちらかというと雪ノ下の方が寂しそうだった。 指摘しても認めなかったが そして、その夜は寝る前に小雪は自分の服に着替えていた。 八幡「寝間着にジャージ出してただろ?」 小雪「いいの、もうそろそろ時間だから」 八幡「時間?」 聞き返しはしたが俺はその意味をわかっていた。 86 ID:6QCin5Qo0 小雪「この服。 お母さんに返しておいてもらえるかしら?」 八幡「返しといてやるけどせめて畳んだらどうだ?」 小雪「そうね」 八幡「まったく…ずぼらだな誰に似たのか」 小雪「お父さんね」 八幡「俺だな」 小雪「今日も一緒に寝ていいかしら?」 八幡「断ってもどうせ入ってくるんだろ?勝手にしろ」 小雪「お言葉に甘えさせてもらうわ」 八幡「なぁ」 小雪「なに?」 八幡「昨日、雪ノ下ん家に泊まってみて。 どうだった?」 小雪「私はお母さんに会えて良かったわ、お母さんもそう言ってくれたし」 八幡「ちゃんと楽しめたみたいだな」 小雪「お母さんね、お父さんの話ばかりしてたわ」 八幡「まぁ、未来の自分の旦那ってことになるわけだしな」 小雪「それはそうなんだけど。 70 ID:6QCin5Qo0 八幡「流石に無ぇだろ。 勘違いだ」 小雪「だってお父さんの話をしてるときのお母さんってすごく楽しそうだから」 八幡「嬉々として俺を罵倒しているのが目に浮かぶ」 小雪「たしかに言ってることといえば。 やれ目が腐ってるとかやれ変態だとか、おっぱいを揉むだとか…」 八幡「待て、後ろ二つは身に覚えがないぞ。 でっち上げだ」 八幡「そもそも変態とおっぱいを揉むはだいたいの会話では同じ意味だ」 八幡「さらに言うなら雪ノ下に揉むような乳は無い」 小雪「お父さんあたふたし過ぎ」 八幡「お前が余計な事を言うからだ」 小雪「お父さんはどうなの?」 八幡「は?」 小雪「お母さんのこと好き?」 八幡「まぁ……嫌いではない」 小雪「で、お父さんはお母さんのこと好き?」 八幡「お前それアレだろ。 96 ID:6QCin5Qo0 八幡「…………好きだ」 小雪「やっぱりね」 八幡「」 このガキ… 八幡「お前ちゃんと友達居るのか?」 小雪「そうね、まずどこからどこまでが友達なのか定義してもらいたいわ」 八幡「居ねぇのかよ…」 小雪「居ないなんて言ってないわ」 八幡「それ友達居ないやつのセリフだから。 ソースはお前の母ちゃん」 小雪「父親が超エリートの圧倒的ぼっちなのだから仕方ないわ」 八幡「何それサイヤ人の王子的なやつですか?」 小雪「ところでベジータはいつまでサイヤ人の王子で居るつもりなのかしら?いい年して息子もいるのに恥ずかしくはないの?無職だし」 八幡「」 まさかのドラゴンボールネタに食いついてきた… 八幡「ベジータに聞け、それか鳥山明に聞け」 小雪「パパ」 八幡「えっ…おぉ、パパって呼ぶのか」 小雪「お母さんを助けてあげてね」 そう言い残して小雪は消えてしまった。 俺が瞬きをしている間に居なくなっていた。 おそらく未来に帰ったんだろう、最後の俺達の会話はドラゴンボールネタだった。 52 ID:6QCin5Qo0 月曜日とは億劫な曜日である。 ある者は仕事、ある者は学校。 中には毎日がホリデーな人間も居るだろうが、世間一般では月曜日とは敵である。 しかし俺の気分が優れないのはどうやら月曜日のせいだけではないらしい。 学校で俺がいつも昼飯を食う場所、今日もいつもと変わらず風が吹いている。 この時間が俺は嫌いじゃない。 でも、その風は俺のセンチメンタルを癒してはくれなかった。 雪乃「その間抜けた顔は比企谷くんね」 八幡「雪ノ下か」 雪乃「こんな所で何をしてるのかしら?」 八幡「ここで飯食ってんだよ」 雪乃「見た限りあまり食がすすんでいないわね」 八幡「ほっとけ、そんな時もあるだろ」 一口しか齧られていない焼きそばパンを見て雪ノ下は察したようだ。 15 ID:6QCin5Qo0 八幡「あ、そうだ昨日小雪が着てたお前の服持って来てるから放課後部室で渡すわ」 雪乃「そう、あの服はあの子にあげたつもりだったのだけどね」 雪乃「私のお気に入りの服だったの」 八幡「あれ高そうだったぞ。 えらく太っ腹だな」 雪乃「自分の娘に着せるんだもの。 惜しくなんかないわ」 八幡「そうか」 畳みもせずに返そうとしたことは黙っておこう 雪乃「あの子、帰る前に何か言ってた?」 八幡「…………」 『お母さんを助けてあげてね』 八幡「いや、ドラゴンボールの話してた」 雪乃「ドラゴンボール?何でまた」 八幡「さぁな」 雪乃「何を考えているのかわからない所は比企谷くんにそっくりね」 八幡「歯に衣着せぬ俺への罵倒は間違いなくお前似だけどな」 雪乃「可愛い所も私似ね」 八幡「その高慢ちきな所もな」 雪乃「比企谷くん」 八幡「あ?」 雪乃「約束しなさい」 八幡「何をだよ。 友達いねぇから約束なんかしたことねーぞ」 雪乃「絶対に死なないと約束しなさい」 八幡「…………」 八幡「そうだな、約束だ。 お前もな」 雪乃「ええ、約束するわ。 あの子のためにも」 雪乃「それと」 八幡「ん?」 雪乃「私、またあの子に会いたいわ」 八幡「俺もだ。 またそのうちひょっこり現れるかもしれねぇな」 雪乃「はぁ………バカ、ぼけなす、八幡。 今のはそういう意味で言ったんじゃないわ」 八幡「八幡は悪口じゃねーって言っただろ」 おわり.

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【俺ガイル】 八幡「比企谷…小雪?」

俺ガイル ss 邪魔

俺は比企谷八幡。 総武高校2年……だったのは、もう10年も昔の話だ。 ……いや、今言いたいのはそう言うことじゃなくて。 結婚して5年目、正直罪悪感がヤバい。 毎朝くたびれた顔をして出勤し、そして毎晩さらに、くたびれたを通り越して死にそうな顔をして帰ってくる妻を見ていると、それに比べて俺は一体何をしているのかという気持ちになる。 雪乃の力になってあげれない自分が、嫌になってくる。 俺は俺なりに、せめて雪乃がすぐ休めるようにと色々と気をつかっているつもりなのだが、それでも今のところ、雪乃の体調の維持が精一杯だ。 最近は、あれほど雪乃が愛して止まなかったパンさんもこの家から忽然と姿を消している。 体力の回復に精一杯で精神の安らぎにまで割いている時間がないのだろう。 もはや、無力感を通り越して俺が雪乃を追い詰めているのではないかと思うまである。 第一章 やはり比企谷八幡は変われない 「……ふぁ」 朝5時。 冬場は寒く、出来ればこのままベッドから出たくはないが、そんなことは言っていられない。 主夫の朝は早いのだ。 「今日は月曜日……燃えるゴミの日だな。 」 安直なセリフに聞こえるかもしれないが、実はこうやって逐一声に出して物事を確認すると言うのは、家事をするに当たってとても大切なことである。 下手をすると、 「あれ、俺って次、何をするんだっだっけ……」 となって、また確認する羽目になり、二度手間、つまり時間の無駄になる。 俺は無駄なことは絶対にしたくないタイプだからな。 例えば日曜の朝にそんなことしてみろ。 プリキュアが見れなくなる。 ……まあ、最近はそのために30分も時間を使うのが申し訳なくなってきて、見る機会も少なくなってきているんだけど。 雪乃は日曜だろーとなんだろーと連日出勤である。 どうやら、労働基準法というのは労働者のみに適用されるものであって、使用者にとってはどれだけ働こうが関係のないものらしい。 それが本当にそうなのかは知らないが。 まあ、それはともかくとして。 「……ああ、八幡、おはよう。 早いのね……」 「……ん、ああ、おはよう」 雪乃が起きてきた。 現在時刻午前5時42分。 ちょうど朝ごはんが出来上がったタイミングだ。 「……それで、今日は何時くらいに帰ってこれそうなんだ?」 「えっと……10時くらいかしら」 ……どうやら今日は帰ってこれないようだな。 目線が泳いでるぜ、バレバレだ。 「わかった、じゃ、そうする」 「ええ、何て言うか、その……ありがとう、私のために」 ……最近こいつは、全く毒舌を吐かなくなった。 高校時代には、あんなに、息をするように吐いていた毒舌を。 原因はやはり、仕事だろう。 おかげで、日々の会話が味気ない。 感謝の言葉しか並べられていない会話なんか、はっきり言ってうんざりするだけだ。 それでも俺は、 「いや……まあ、仕事、頑張れよ」 こんな答えしか返してやることができない。 気のきいた言葉なんて、返してやることができないのだ。 今日は結婚記念日だというのに…… 青春時代、それこそ10年前には、女って、何でそんなに記念日を気にするんだろうな、と思っていたものだが、今となると、その気持ちがよーく理解できる。 要は、口実だ。 大切な人と一緒にいるための口実。 本来女性が立っている方が多いポジションに立ってみて、それが理解できた。 ……俺が女性的になった訳じゃないよ?うっふんとか言わないよ? 「八幡、シャワーを浴びてくるわ」 「わかった」 雑談ばっかりでストーリーが全然進んでいない間も、どうやら雪乃は、しっかりと出勤の準備を進めていたようだった。 それから一時間後。 シャワーを終えた雪乃は、用意されていた朝ごはんを食べ、化粧を済ませて、今正に出勤しようとしていた。 俺は玄関先に見送りに行く。 「……できるだけ、早く帰ってくるから」 そう言って浮かべる笑顔でさえ、俺たちがあれほど嫌った嘘や欺瞞で繕われているように感じる。 今の雪乃は。 もはやあの頃の雪乃ではない。 「わかった」 しかしそれは、俺にも言えることなのかもしれなかった。 本当は分かってなどいないのに。 仕事になんかいって欲しくないのに。 つい、「いつもの流れで」言ってしまう。 それが惰性であると知っていても。 「……いってきます」 「いってらっしゃい」 ……違う、そうじゃない。 俺は何も変わってなんかいない。 相も変わらず、俺はそれ以外の選択肢を持てないでいるのだ。 10年前のように。 第二章 しかし材木座義輝は暴走する。 その日の午後、俺の携帯にとある人物からの着信があった。 材木座義輝。 10年前、よく奉仕部に依頼をしてきた、常連のうちの1人だ。 今は確か…… 出版社を起こしたんだっけ? とりあえず電話に出る。 「もしもし」 「ふはははは!我だ!八幡!」 プツッ。 ……プルルル。 「もしもし」 「あ、もしもし八幡?我」 「おう、材木座か」 「あー、今時間大丈夫?」 「ん、良いぞ」 ……一回電話を切ってから出る。 これ材木座と話すときの常識。 一回目で出ちゃうと、終始あのテンションだから疲れる。 「それで、何の用だ?」 「えっと、仕事だ」 「またか……」 「なっ!ちゃんと報酬は払っておるではないか!無礼な!」 「はいはい……」 材木座は、月1のペースで俺に仕事を依頼してくる。 なんてことはない、ただのモニタリングだ。 材木座のところで発刊した本を読んで、どんな年代の、またどんな性別の人に売れそうかを教える。 ……それだけで、何と不労所得が月20000円! Youtuberもビックリだ。 まあ、あいつがそれで助かるってんなら、断る理由もない。 現に、本屋で「あ、これ読んだやつだ」という本を見つけたこともある。 売れたかどうかは知らん。 「……で、今回のは何だ?」 「実はな、今回の原稿は、何と我が直々に書き上げたのだ!」 「……ほう」 こいつ、実はあの2年間で並々ならぬ文章力を身につけ、大学のサークルで見事電撃大賞を受賞、一時期プロのラノベ作家でもあったのだ。 そんなあいつが新作を出すとは。 高校時代とは違ってワクワクするぜ。 「原稿は既に送ってある。 では八幡!また会おう!」 「ああ、材木座、待て」 「何だ?八幡、我が友よ」 ……そういえば、こいつも一応、社長、なんだよな。 「……聞きたいことがある」 「わかった、手を貸そう」 ただし、 と、材木座は付け加えた。 「我はまだ昼食を取っておらん。 場所はこちらが指定する。 よいな?」 「ああ、構わない」 「であればよし!今から向かうぞ、八幡よ!」 ピッ。 「わははは!おい秘書よ!我はちょっくらサイゼリヤに行ってくるぞ!」 ……あ、あいつ、間違って通話ボタン押しやがったな…… どうやら材木座の携帯はハンズフリー状態のまま放置されているらしく、周囲の喧騒がけたたましく聞こえてくる。 相変わらずうるさい職場だ。 ま、社長があれだからな…… そうして、俺が電話を切ろうとした時だった。 「もしもし、勝手にお電話変わりました。 秘書の戸塚と申します。 ……えへへ、八幡、久しぶりだね」 お、戸塚だ! やった! 「おう。 大丈夫か、職場に毒されてないか?戸塚」 「あはは、とっても楽しいよ!あ、そうだ!そういえば、今度結衣が遊びに行きたいって言ってたから、来週あたり、またお邪魔させてもらうねー!」 「わかった、待ってるぜ!」 「……と、そうだ、もうひとつ。 ねえ八幡、材木座くん、八幡と話せると、すっごく喜ぶんだよ!だからさ、えっと、お仕事じゃないときにも、良かったらお話してあげてね!」 「戸塚の頼みだからな、わかった」 「ふふ、八幡らしいや。 じゃあ、集合場所はサイゼリヤっぽいから、遅れないようにねー!」 そう言って、戸塚は電話を切った。 来週戸塚が家にくる…… やった! これはパーティーだな! 久しぶりに由比ヶ浜とも話ができるから、雪乃も喜ぶだろう。 雪乃が居ればだけど…… …… ダメだ。 早く材木座の所に行こう。 俺は、急いでサイゼリヤに向かった。 第三章 そして比企谷八幡は思い出す。 急いで準備を整え、二十分後。 サイゼに着いたはいいものの、結構混んでんな…… 辺りを見渡して、とりあえず体格のいいやつを探す。 すると、 「 おーい、八幡!」 そこにはこちらに向かって手を振る天使の姿が! あとついでに材木座! 材木座、ナイス目印だ! 流石の体格だぜ! ひとまず、二人と合流することに成功した。 が、材木座は、 「おっと、漆黒の堕天使が我を呼んでいる!とうっ!」 ……などと言い、まあ、食事の場なので後は伏せる。 気持ち悪いから黙って行けよ…… しかし、材木座が居なくなったことによって、言っちゃ悪いが、最高の状況が生まれたのだ。 俺は今、戸塚と二人っきりである。 目の前に戸塚。 俺の目の前に戸塚。 いやあ、随分と久しぶりだなぁ…… 年甲斐もなく、ついはしゃいでしまいそうである。 ……しかし、今はお互い家族持ち。 それに加え、戸塚の方は一家の大黒柱。 見た目はそんなに変わらないけど、やはりどこか、父親としての威厳が感じられるのだった。 「えへへ……やっほー、八幡」 しかし。 やはり戸塚はとつかわいい。 「ねぇ、八幡はご飯食べた?」 「あ……食べたけど」 「そっかー、八幡主夫だもんね!」 ……今のはポジティブに捉えて良いのだろうか。 「うちの主婦も、もうちょっと頑張ってくれたらなぁ……」 そう言って、冷たい視線を斜め下に向ける戸塚。 どうやら、由比ヶ浜の料理の腕は相変わらずらしい。 ……というか、今、何か見てはいけない物を見てしまったような気がする。 戸塚は、すっかり世の働くお父さんだった…… 「はっちまーん!待たせたな!懐かしの剣豪将軍再臨!」 ……おっと、どうやら材木座が帰ってきちまったらしい。 「むむっ、何だ八幡!その冷たい視線は!もしや新たなる闇の力、アイズ・オブ・アイスか?」 「あー、また始まっちゃったね……」 「おい材木座、戸塚が引いてんだろ、やめろ」 「いいよ、慣れてるから」 材木座、お前いつの間に戸塚とそんな中に…… あれか、単純接触効果か!? ……とか何とか言って、俺達はしばらくの間、久しぶりの再会を祝うようにはしゃいでいたのだった。 しかし、やはりその時は訪れた。 「……ところで八幡、話って何?」 「そうだそうだ、我も気になってたところだ」 「ああ……そうだったな」 とは言っても、本当に忘れていた訳ではない。 むしろ、今までオーバーにはしゃいで、無理やり頭の片隅に追いやっていたようなものだ。 いざ話し始めるとなると、怖くてしょうがない。 しかし同時に、そんな悠長なことを言っていられないのも、また現実だった。 「何でも聞くよ、八幡」 「ああ、遠慮なく話せ」 「……ありがとう」 正直話しづらかったが、俺は、最近雪乃が働きづめで全然休めていないこと、それも、体力、精神力共にもう限界に近いであろうこと、そのせいで、夫婦仲があまり芳しくないことなどを、彼らに打ち明けた。 そして、 「なあ、材木座。 お前も一応、雪乃と同じ社長だろ?今の話を聞いて、何か俺にできることがないか、考えつかなかったか?」 ……だから何だ、と言われそうな質問だが、俺は藁にもすがる思いで材木座に問う。 しかし、ついにその答えが帰ってくることはなかった。 その代わり、 「……ねぇ材木座くん」 「……うむ」 二人は、俺の話が終わるや否や、何かこそこそと話をし始めた。 「な、何かあったのか?」 「いや、ちょっと……ね」 「うむ……」 「何だよ、その曖昧な返事は」 「だって……ねぇ、材木座くん」 「うむ……八幡よ、これは本当に言いづらいことなのではあるが……」 「「変わったね な 、八幡」」 「……っ!!」 がばっと、俺の心が抉られる。 それはつまり、この一連の原因は俺にある、ということなのだろうか。 やはり、俺が悪いのだろうか。 ……いや、そんなこと、分かりきっていたことだ。 俺が悪い。 それはわかっていた。 雪乃はあんなに頑張っているのだから。 ……対して俺は、何もしていないのだから。 「……八幡」 帰り道、不意に戸塚が口を開いた。 「八幡てさ、雪乃さんのどこを好きになったの?」 「……」 「悩むよね。 多分、僕が想像している以上に、八幡は雪乃さんの良いところをいっぱい知ってて、それで、雪乃さんを好きになったんだと思うから」 「……」 「それはわかる……僕も同じ」 「……ああ」 「僕はね、八幡。 葉山くんよりも、八幡よりも」 「……そうか」 「これは別に、そりゃあ結婚したからつまりそういうことだろう、っていう話じゃないんだ。 だから、もし、これで結衣が他の男の人と結婚していても、いやらしい話、それでも僕は結衣と結婚できると思うよ。 それでも結衣は、きっと僕を選んでくれるって、そう確信できる」 「……っ!」 「逆も同じだ。 もし僕が結婚していても、どこかで結衣と知り合うことがあったならば、僕はなりふり構わず、結衣に結婚を申し込むだろう。 そして一緒に子供を作って、幸せな家庭を築いていくんだ……今のように」 そう言って戸塚は、今までに見たこともないような満足げな顔をして…… そしてまた口を閉じた。 「……俺には」 俺には果たして、そんなことが言えるのだろうか。 相手の幸せを奪ってでも、 自分の幸せを投げ棄ててでも、 それでも一緒になりたい、だなんて…… ………………。 10年前、俺は、彼女にしっかりと伝えたはずだ。 自分の言葉で、ハッキリと伝えたはずだ。 ただそれを、今まで10年間、うっかり忘れていただけ。 ああ、そうだ。 そういうことだったのか…… ……瞬間、視界がパッと開けた感覚があった。 横を見ると、戸塚が微笑んでいた。 「……僕の言いたいことは、分かってくれたかな?八幡」 「……ああ、ありがとう、戸塚」 これでようやく、思い出すことができた。 10年前の覚悟を。 俺と彼女の、最初で最大の約束を。 ……そういえば、今日は結婚記念日だ。 あの約束を果たすのには、丁度タイミングがいい。 帰ったら、雪乃と二人で話し合おう。 そう思って、俺は戸塚に礼をいい、今度こそ帰路に着いたのだった。 ……しかし。 その日、やはりいくら待っても雪乃が帰ってくることはなかった。 第四章 しかし雪ノ下雪乃は煩悶する。 ……ふぅ、やっと片がついたわ。 時刻は……午前1時。 ああ、今年もダメだった…… ごめんなさい八幡、あなたも今日が何の日だったか、知らない訳ではないでしょうに…… 今日は……昨日は、私達の結婚記念日。 まあ、世の中には、結婚記念日なんてどうでもいい、なんて言う人達もいるのだけれど、私達にとってこの日は、ある特別な意味合いを持っている日でもある……それを八幡が覚えているのかは分からないけれど、毎年、期待してしまうものがあるのも事実。 つまり、私達にとってこの日は、一年の中で、互いの誕生日に続く3番目の記念日。 そんな大切な日を私は、こうして会社にいながら終えてしまった。 今年で3回目、いい加減八幡も怒っているわよね…… 「……はぁ」 独りでに出てくるため息も、もう何百回聞いたのだろう。 ため息をすると幸せが逃げて行くって言うけど、もしかしたらそれは、あながち迷信ではないのかも知れない…… 「社長、お疲れさまです」 「ええ、お疲れ様。 今日はもう遅いから、上がっていいわよ」 「え……あ……分かりました、失礼します」 「八幡……ごめんなさい」 私は、いつからか人の仕事まで背負いたがるようになっていた。 理由は分かっている。 ただの口実作り。 家に帰らないための、詭弁でしかない言い訳を求めているのだ。 八幡のため、と、自分にそう言い聞かせながら。 多分、今更私が家に帰ったところで、きっと八幡は、私の体を気遣ってすぐに寝るよう勧めてくるだろう。 自分の感情に、必死にブレーキを掛けながら、またムスッとした、しかし優しいあの顔で、不満など一切漏らさずに、私を迎えてくれることだろう。 私は、それを見るのが何より辛い。 ……彼はずっと隠し通せていると思っているのでしょうけど、実は、私はとっくに気づいている。 彼が、私達の間に子供を望んでいることを。 私だって、子供は欲しいと思っているわ。 あの人の子供を産んで、1日でも早く、今よりもさらに幸せな家庭を作りたい…… でも、未だにそれができないでいる。 私の仕事のせいで。 彼は優しいから、いつも私のことを優先してくれる。 朝も、いつも早い時間からご飯を作ってくれているし、帰ってきても、家の中はいつもキレイに整頓されていて、私がすぐに休めるようにベッドの用意までしておいてくれる。 私も、ついその優しさに甘えて、自分の体調の方をとってしまう…… 私のせいで、彼がどれだけ辛い思いをしているか。 私の弱さのせいで、彼がどれだけ心の中で泣いているか。 分からない訳ではないのだけれど、自分ではどうすることもできない。 だから、逃げる。 八幡の優しさを利用して、彼とのコミュニケーションを避ける。 避けつつも、心の中では彼の言葉を待っていたりする。 「……八幡、許して」 今のところそれが、私が言える精一杯の言葉だった。 携帯が鳴った。 ……葉山くん? 一体何の用かしら…… いや、違ったわ。 そういえば、私が彼に連絡を取ったのだった…… ああ、本当ダメね、私。 「もしもし、葉山くん?」 「ああ、雪乃ちゃんかい?」 「ええ、そうよ。 わざわざ連絡してくれてありがとう」 「何だ、覚えていたのか……正直、ちょっと不安だったよ」 そう言って、葉山くんは軽い笑みをこぼした。 彼にまで見抜かれるなんて…… 「まあ、こっちもちょうど今、決心が固まったところだからね。 タイミング的にはバッチリだ」 「今……?」 「まあ、詳しい話はうちでするんだろう?僕はもう少しで着くところだから、そろそろ雪乃ちゃんにも向かって欲しいかなーって」 「わかった、すぐ行くわ」 「待ってる」 ピッ。 …… 本当に、最低な女。 結局、自分のことしか考えてないんだから。 時間通り、私は葉山くんの家に着いていた。 「いらっしゃい、雪乃ちゃん」 「おじゃまします」 リビングに通され、葉山くんは何か飲み物を、と言いキッチンへ、私はそのままソファーに座る。 数分後、葉山くんはワインとグラスを持って戻ってきた。 「あの、私は、アルコールは……」 「ああ、そうなのか。 じゃあ、すまないが僕だけいただくことにするよ……素面じゃ、やっぱり厳しいところがある」 「……構わないわ」 葉山くんは、そう言ってワインをグラスに注ぎ、少しだけ口に含んだ。 「……じゃあ、最後に聞くけど、今からのことを聞いて、決して、雪乃ちゃんは罪悪感を抱かないでくれ。 悪いのは僕だ」 「分かったわ……」 「それと……あとはいいか。 じゃあ、短いが、語らせて貰うとしようか。 大学2年生で、当時の僕は、何も知らないまま家庭をもつことになった。 相手はどこだかのご令嬢。 お見合い結婚。 ほぼ政略結婚みたいなものだった。 それでも僕たちは、最初のころは、とても幸せだったんだ。 子供も作ったし、円満だった。 でも、それを壊したのは僕だ。 僕が彼女を信じきれなかったせいだ。 ……ある日のことだ。 僕はその日、接待でとあるホテルのレストランに行ったんだ。 結構名の知れたところでね、それなりに客もいた。 接待は順調、このままいけば、あと数分で終わりそうな、そんな時。 その客の中に、男を連れた彼女を見つけてしまった。 向こうも僕を見つけたようだった。 動揺した。 見間違いだ、と何度も自分に言い聞かせた。 詭弁でも何でもいいから、とにかく言い訳がほしかった。 とりあえず、そのときは仕事に集中することで何とか乗り切れた。 問題はそのあとだった。 家に帰ると、彼女はやはり気まずそうな顔で僕を迎えてくれた。 どうしたんだ、とか、何で、とか、僕は彼女にそんな質問すら、弁解の余地すら与えてやらなかった。 もしかしたら、僕の誤解かもしれなかったのに。 僕は、そこまで考えてやることすらできなかった。 そして、その後も僕らの間で話し合いは行われることなく、財産も親権も全て彼女に押し付けて、 結局、僕らは離婚した。 話が終わるころには、すでにワインは無くなっていた。 顔が赤い。 相当アルコールが回っているのだろう。 「ええ……ありがとう、葉山くん」 「礼には及ばないよ。 言うなら、それは彼に言ってあげてほしい」 「……どうして?」 「今の僕は、彼のお陰で生きる希望を失わずに済んでいるから。 「……で、僕からのことだけど」 「……はい」 「単純に、信じてやってほしい。 彼の人格を、何から何まで信じてやってほしい。 世の中には二種類の人間がいるが、彼はそれに値する方の人間だ。 雪乃ちゃんが素直になりさえすれば、彼はきっと君の期待通りの答えを返してくれるだろう。 いいか、嘘はつくな。 それでも、私にとってそれは大きなヒントだった。 腹を割って話し合う。 今まで逃げてきたことにピリオドを打つ。 無駄なことは一切なし。 それだけで良かった。 話が終わってから、三分くらい経った後、 「……彩加達の方も、上手くいっているかな」 ふと、彼はそう漏らした。 「戸塚さん?」 「ああ……気にしないでくれ。 それよりほら、こんなに遅くなったんだから、電話の一本でも入れておかなきゃ、あの愛妻家はきっと悶絶し出す頃だと思うよ」 「愛妻家……」 確かに、そうだわ。 葉山くんにもだけれど、私が一番助けられているのは、他でもない彼なんだから。 そう思うと、もういてもたってもいられず、私はすぐさま「我が家」に電話をかけることにした。 「葉山くん、ちょっと失礼するわ」 「ああ、構わない」 プルルル。 午前4時、起床。 ……やはり雪乃は帰って来ていない。 仕方ない、朝食は一人で食べるか…… アイツも忙しいんだろうしな。 そうしてベッドから下りたのだが、部屋の隅に寄せてある洗濯物を見て自分が昨日何をしていたのか、また何をしていないのかを思い出す。 「今のうちにまとめておかなきゃな……」 そう言って、ゴミ袋を取りにキッチンへ向かおうとしたのだが、寝不足のためか、立ちくらみをおこしてベッドに倒れこんでしまった。

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