俺ガイル ss 陽乃 婚約。 八幡「地獄のような日々だ」 : やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 SS

【俺ガイル・八幡SS】雪乃「私は今日、葉山君と婚約する」

俺ガイル ss 陽乃 婚約

なかなか起きなくて困りました」 八幡「………」ボー いろは「まだ意識起きてないですねー。 ほら、せんぱいの愛しの千葉ですよー。 帰ってきましたよー」 八幡「ああ。 ……すげえ久しぶりだ千葉。 愛してるわ」 いろは「てきとうだなー…。 ねーせんぱいせんぱい、私は?」 八幡「一色いろはだろ」 いろは「……いや、そうじゃなくてですね。 てかせんぱい、わざと言ってますよね絶対」 八幡「まあな。 降りるぞ、一色。 俺の実家行くんだろ」 いろは「相変わらずなかなかデレてくれないせんぱいだなあ…。 はーい、ちょっと待ってください」 八幡 一色と付き合い始めて、一年近く経った 八幡 付き合うといっても、特に今までと大きな変化があったかというと。 そうでもない 八幡 バイトが終わったら俺の部屋に一色が来て、何をするわけでもなく、だらだらする 八幡 漫画読んでたり、レポートやってたり、映画観てたり。 日曜の朝なんかは一緒に起きてアニメを見てたりするしな 八幡 自分でも意外なほど、しっくりくる。 こいつといると 八幡 時々。 今の俺を冷めた目で見てくる、昔の俺が出てきたりもするが 八幡 それでも、続いている。 駅の前にあんなに人がいるの久しぶりに見ました」テクテク 八幡「やっぱ千葉すげえわ。 さすがマイ故郷」テクテク いろは「その故郷でこんなに疲れてるんだから、せんぱいも田舎に染まりましたねー。 あ、先輩の家ってあとどのくらいですか?」テクテク 八幡「もう5分もかからんぞ」テクテク いろは「マジですか。 ……せんぱい、ちょっといいですか?」ピタ 八幡「なんだよ」ピタ いろは「……ちょーっとそこの公園行きません?」 八幡「あ?休憩ならいいだろ、もうあと少し歩けばゆっくりできるぞ」 いろは「いや、そうじゃなくてですね。 ……ちょっと。 おねがいします、行きましょー」テクテク 八幡「おい。 こんな時間のこんな場所で欲情すんな」 いろは「えー違いますよ」 八幡「えーじゃねえ。 ……だいたい、キスなら今朝あっちを出る前にしただろうが」ボソッ いろは「そうなんですけど~」 八幡「だろ。 話は終わりな、行くぞ」 いろは「…でも、今日から2日間、二人きりになれないじゃないですか」 八幡「ああ。 ……それが?」 いろは「その間、いちゃいちゃできないじゃないですかー」 八幡「そのくらい我慢できるだろ、お前」 いろは「むりですよー…。 ねえせんぱい、おねがいします」 八幡 そう言ってこっちを見上げる一色の顔を見て、やっと気付いた 八幡「お前……緊張してるのか」 いろは「……あは、ばれちゃいました?」 八幡「まあな。 つうか、意外だな。 コミュ力の化物と呼ばれるお前が、初対面の人間に会うからってそんな緊張するのは」 いろは「言っておきますけど、そのよく分からないあだ名で呼んでくるの先輩ぐらいですからね。 ……だって、せんぱいの両親と会うんですよ?」 八幡「まあ、そりゃな」 いろは「嫌われたらって考えると、近づくうちにだんだん緊張しちゃって。 ていうか、彼氏の母親に初めて会うときに緊張しない彼女なんていませんよー」 八幡「はあ」 八幡 メイクがいつもより更に薄かったり、いつもゆるふわ系 笑 が多い服装が今日は大人っぽくなってたりするのはそういうことか いろは「分かったような分かんないような顔しないでください。 ……せんぱいが私のお父さんと会うとき考えてみてくださいよ」 八幡「…………なるほど」 八幡 無理だわ、その状況。 逃げるわ いろは「それになんか、婚約前の挨拶みたいだし……わあ」 八幡「自分で言って自分で照れるなバカ。 それに婚約してねえだろ」 八幡 俺も照れるから。 ……主に、右ポケットに入れてある小さな箱が理由で いろは「もー。 いいですから、分かったなら、勇気ください。 はい、ちゅー」 八幡「………」 いろは「今なら誰もこの辺通ってませんよ、はい、ちゅー」 八幡「……しょうがねえな」 いろは「んっ……」 いろは「ふー。 じゅーでんかんりょーです。 どもでした」 八幡「………おう」 いろは「せんぱいって未だにちゅーするときちょっと照れますよね~。 かーわいー」ニヤニヤ 八幡「二度としねえぞバカ後輩……。 舌まで入れてきやがって」 いろは「あは、ついべろちゅーしたくなっちゃって。 ごめんなさい」ニコニコ 八幡「はあ……エロ後輩が。 うわ、ほんとに彼女連れてきてる!小町的にすごいポイント高い!」 八幡「疑ってたのか……」 八幡 兄の彼女の存在を疑う小町、八幡的にポイント低い 小町「ちょっとだけねー。 一色先輩、お久しぶりです。 比企谷家へようこそ!」 いろは「小町ちゃん久しぶり~。 ありがとー。 小町ちゃんに会えるの楽しみだったよー」 小町「小町もです!今日は自分の家だと思って気楽に過ごしてくださいね~」 いろは「うん、ありがとー」 八幡「……玄関で立ち話ってのもなんだろ、上がろうぜ。 小町、今日は親父と母さんいるのか?」 小町「んーん、今はいないよー。 でも今日は早めに仕事切り上げて夕方には帰ってくるって」 いろは そうなんだ…ホッとしたような逆にもっと緊張するような 八幡「そっか。 ほら、一色もあがれよ」 いろは「あ、はい。 電話で聞いた時は信じられなかったです」 一色「あはは、そうだったんだ~」 小町「このヤニいちゃん、この前のお正月帰省しなかったんですよ。 小町成人式だったのに。 それに、近況報告の電話とかも全然してくれませんし。 だからほんとビックリでした」 八幡「この前は卒研の準備に追われてそんな余裕なかったんだよ、あとヤニいちゃん言うな」 いろは ごめん小町ちゃん、年末年始は私がわがまま言って二人で過ごしてた… 小町「ねえ、お兄ちゃんが去年のお盆に帰省したときって、お兄ちゃん達もう付き合ってたの?」 八幡「まあ……」 いろは「付き合ってたよー」 小町「へー、そうだったんですか~。 このゴミいちゃんはなんで話さないかなあ……」 八幡「うるせ。 今回はちゃんと話しただろうが」 小町「帰省する一日前にね。 昨日とかお父さんとお母さん凄いびっくりしてたよ、お父さんなんか慌てて美容室行ってたし」 いろは なにそれパパさん可愛い 八幡「親父……はしゃぎすぎだろ」 小町「しょうがないよ、お兄ちゃんが家に彼女連れてくるなんて初めてだし」 八幡「まあ、な」 小町「それにしても、なんか信じられないです。 やっぱり。 あの学校中の人気者だった生徒会長が、お兄ちゃんなんかの彼氏なんて。 小町達の代なんて、未だに一色先輩のファンがいるんですよ?」 いろは「そうなんだー、もう私高校卒業してから3年ぐらい経つのにね」 小町「ですよ、同窓会とかで集まった時よく話題になりますもん」 八幡「同窓会……知らない言葉だな」 小町「ゴミいちゃんは呼ばれても行かないだけでしょ……。 同窓会って単語を見てすぐに返信するせんぱいが」 八幡「行っても話すことなんかねえしな」 いろは「……そーですか」 いろは 奉仕部の先輩方と、やっぱり疎遠になっちゃってるのかな いろは 知りたい。 なにがあったのか。 ……せんぱいが聞いてほしくなさそうだから、聞かないけど いろは「それより、小町ちゃんももう大学2年生だし、彼氏とかできたの~?聞かせてよー」 小町「えー私の話ですかー?」 いろは「知りたいなー」 小町「えーそうですねー何から話そうかなー」 八幡「俺は聞かんぞ。 八幡、自室のベランダにて 八幡「………」カチ、シュボ、スパー 八幡「ふー……」スパー 八幡 やっぱ実家落ち着くな……。 一色を前にした親父の落ち着きのなさは少し笑えたが 八幡 母さんも一色を気に入ってたようだし、一色の心配していたようなことにはならないだろう 八幡 今は小町も含めて三人で仲良く皿洗いしてるようだしな。 今日は小町の部屋で寝るらしい 八幡 あいつらが高校時代に仲良かったとはな。 少し意外だ カマクラ「にゃー」 八幡「お前も久しぶりだな。 元気か?」 カマクラ「にゃん」 八幡「そうか」 カマクラ「………」プイ、トコトコ、モソモソ 八幡 布団の上で丸まったカマクラは、なんというか時の流れを感じさせた。 お前とこの家でじゃれ合っていた毎日も、もう4年近く前か 八幡 今回の帰省は、一応俺の大学卒業祝いと、社畜の仲間入り決定を祝ってのものだ。 ……後付けで、一色の紹介も兼ねてしまったが 八幡 まさか俺が普通の企業に就職決めるとか、高校時代の俺は考えもしないだろう。 1年前の俺ですら信じないかもしれん 八幡「ふー……」スパー 八幡 ここに帰ってくるたび、高校時代のことを思い出す 八幡 思い出したくないことを、たくさん 八幡 二人の大切な女の子ができて。 そして二人から離れたこと。 そうするしかできなかったこと 八幡「すー……はー」スパー 八幡 煙草の煙を思い切り肺に入れて、吐き出す 八幡 考えてももうどうしようもないことは、考えるな。 いろはと二人でちょっとした宴会中 いろは「ん、ん、ぷはあ」 小町「うわーいい飲みっぷりですね~」 いろは「そうかな。 せんぱいに影響されたかも。 せんぱい、ビール飲むときすごい気持ちよく飲むんだよー」 小町「あーそれは多分某教師の影響ですね……」 いろは「え?……あー平塚先生かな?」 小町「はい。 明日もあの二人飲みに行くらしいんですけど……いいんですか?彼女ほっといて他の女の人と二人でお酒なんて」 いろは「いいんだよ、あの人は。 ……せんぱいにとって、その方がいいって分かるから。 せんぱいが家族以外で信頼してる数少ない人だし」 小町「……」 いろは「私はせんぱいのこと信じてるしね。 せんぱい、理性の化け物だし」 小町「……そーですね、そこだけは小町も信じてます。 悪く言えば凄いヘタレなんですけど」クス いろは「ね」クス いろは「それに明日は、私も久しぶりに実家の方帰らないと。 なりたいなあ……」 小町 一色先輩、本当に。 理由とか、小町にも話してくれなかったんですけど」 いろは「………」 小町「何を考えてるのかよく分かんないような顔で煙草ボーっと吸ってたりして」 いろは 私が再会した頃のせんぱい、みたいな感じなのかな 小町「たまに帰省するときもそんな状態がずっと続いてたんですけど、去年のお正月の時はちょっと違ってて」 いろは「………」 小町「あの頃には、もう二人とも再会してたんですよね?」 いろは「うん、まだ付き合ってはなかったころだけど」 小町「お兄ちゃん、なんか……表面上はあんまり変わってなかったんですけど。 相変わらずヤニいちゃんだったし。 でも、前ほどブラックな雰囲気とかなくて」 いろは「………」 小町「で、次にお盆に帰省してきた時は、凄く雰囲気が柔らかくなってて。 一瞬誰か分からなくなりましたもん」 いろは「あは、何それ」 小町「本当なんですって。 それで、なんでなんだろう。 なんでお兄ちゃんこんなに変わったんだろうってずっと思ってたんです」 いろは「………」 小町「昨日、やっと分かりました。 ……一色先輩のおかげだったんですね」 小町「だから、ありがとうございます。 お兄ちゃんを助けてくれて。 ありがとう、先輩」 いろは そう言ってほほ笑む小町ちゃんの顔は、すごく優しいものだった 小町「色々とダメなところが多い兄ですけど、あれでも小町にとっては大切なお兄ちゃんなので。 これからもどうかよろしくお願いしますね」 いろは「……うん、こちらこそ。 ほんとうに、これからもずっとよろしくね。 小町ちゃん」 小町「はい。 ……すみません運転手さん、お代はこれで。 お釣り出たらこの人に渡しておいてください」 ハイヨ、マイドー 八幡「多分足りると思いますけど、足りなかったら自分で出しといてくださいよ、先生」 平塚「ああ、悪い。 じゃあな彼女持ち」フラフラ 八幡「まだそれ言いますか……。 ちゃんと自宅の住所いえますか?」 平塚「なめるな。 独り身が長いとな、こうなってからの意識覚醒度は桁違いだぞ」 八幡「何をそんな自慢げに言ってるんですか。 ……でも先生、今日も誘ってくれてありがとうございました」 平塚「また帰ってきたら連絡しなさい。 今度はしめにラーメンでも食べに行こうか」 八幡「うっす。 それじゃあ、また」 バタン、ブロロロロ・・・ 八幡 帰省したら平塚先生とさし飲みってのも恒例になってきたな…… テクテク 八幡 最初は楽しいんだが、途中から平塚先生の婚活の愚痴ばかり聞かされるという テクテク 八幡 マジで誰かあの人もらってやれよ。 幸せそうな平塚先生が見たいです テクテク 八幡 にしても、今日は久しぶりに結構飲んだな……。 若干目まいがする テクテク??? 「……くん……きたにくん」 八幡 幻聴まで聞こえる…これは明日二日酔い確定だな。 一色との駅での待ち合わせ時間までに起きれるといいが テクテク??? 「…ひきたにくん……比企谷くん」 八幡 幻聴にしてはやけにはっきり聴こえるな。 つうかこの声…まさか ピタ 雪乃「やっぱり、比企谷くん。 やっと気づいてくれたわね。 ……久しぶり、ね」 八幡「………お前、雪ノ下、か?」 雪乃「別の誰かに見える?」 八幡「…いや。 久しぶり、だな」 雪乃「ええ。 びっくりしたわ。 由比ヶ浜さんと二人でお酒を飲みに来てて、さっき別れたところだったんだけれど」 八幡「由比ヶ浜……懐かしいな。 お前ら、今でも仲いいんだな」 雪乃「誰かさんのおかげで、ね」 雪乃 あなたが、逃げたから。 逃げて、くれたから 八幡「……なんのことだよ」 雪乃「いいえ、それよりあなたはなんでここに?遠くの大学に行ったでしょう」 八幡「ちょっと、帰省中でな。 さっきまで平塚先生と飲んでたんだ」 雪乃「そう……」 八幡「ああ。 まあ、明日にはまたあっちに戻るんだが」 雪乃「………」 八幡「……じゃあ、またな。 ……元気でな」 雪乃「ええ。 ……あなたも、元気で」 テクテク、テクテク、テクテク… ピタ 雪乃「あの。 ……もう少しだけ、話をしない?」 八幡「………」 雪乃「もう少しだけ、話をしたいの」 八幡「……分かった。 お前、バーとかよく来るのか?」 雪乃「たまに、由比ヶ浜さんと二人で来るぐらいよ」 八幡「そうか。 ………悪い、一服させてもらっていいか?」 雪乃「ええ。 どうぞ」 八幡「………」カチ、シュボ、スパー 八幡「ふー……」スパー 雪乃「煙草、吸うようになったのね」 八幡「ああ。 意外と性に合っていたらしい」 雪乃「そう。 意外ね」 八幡「小町には怒られたけどな」 雪乃「でしょうね。 似合ってないわよ、全然」クスクス 八幡「……あっそ。 変わんねえな、毒舌」 八幡 あるいは、やっと取り戻したのかもしれないが 八幡 また、そんなふうにほほ笑むことができるようになったんだな、雪ノ下。 ……やっぱり流石だな、由比ヶ浜 八幡 きっとあのまま俺が近くにいたら、見ることのできなかった表情 八幡 俺が遠くへ逃げたかいも、少しはあったのかもしれないと思える。 悪くない 雪乃「………」 雪乃 あなたが、逃げたから。 遠くへ行くことを決めたから 雪乃 私は、あなたとの距離を埋める努力を諦めた 雪乃 そして、由比ヶ浜さんという生涯無二の親友を手に入れた 八幡「………」スパー 八幡 俺は怖かった。 奉仕部の中で、二人と一人になることが。 そうなることで、雪ノ下か、由比ヶ浜か、どちらかが酷く傷つくことが 八幡 だから俺は、俺を独りにした。 そうすれば、彼女たちの友情は壊れないことを知っていたからだ 八幡 一度でも二人と一人になったら、もう三人には戻れない 八幡 きっとそれを、俺と雪ノ下は分かっていた。 だから俺は、一番良い『二人と一人』を選択した 雪乃「………」 雪乃 あなたは私たち二人の好意を、受け入れることは絶対にしないと分かっていたから。 遠くの大学を志望していると知った時に、それが分かってしまったから 雪乃 だから卒業間近の頃、由比ヶ浜さんの告白を断ったと知ったとき、胸が張り裂けそうだった 雪乃 あなたはそのまま、由比ヶ浜さんと二人になることができたのに 雪乃 一人になるのは、私でよかったのに。 あなたじゃなくて、私が一人になればよかったのに 雪乃 高校を卒業したばかりの頃は、そんなことばかり考えていたけど 雪乃 由比ヶ浜さんと一緒に、遊んだり、笑ったり、泣いたりしているうちに 雪乃 こんな素敵な親友が、そばにいることに気づけたときに 雪乃 やっと、素直に思えるようになったの。 比企谷くんに 雪乃「ありがとうって」 八幡「ん?」 雪乃「ありがとうって、あなたにずっと言いたかった」 八幡 そう言った雪ノ下は、静かに涙を流していた 八幡 初めて見た、雪ノ下の泣いてる姿は 八幡 その綺麗な顔を歪めて泣いている彼女の心は、やっぱりどうしようもなく美しくて 八幡「………いいから。 泣きやめよ」 八幡 きっと、恋ではなかったけれど。 見苦しいところを、見せたわね」 八幡「別に。 気にするな」 雪乃「……そろそろ、私は帰らなけばいけない時間なのだけれど、あなたは?」 八幡「俺はもう少しだけ飲んでいく」 雪乃「そう」 八幡「ああ。 ……なあ、雪ノ下。 最後に一つだけ聞いてほしい」 雪乃「…なにかしら」 八幡「俺な。 ………俺、彼女ができた」 雪乃「……そう」 八幡「ああ……」 雪乃「おめでとう、比企谷くん」 八幡「え?」 雪乃「おめでとう。 ……本当に、嬉しいわ。 心の底から。 おめでとう、比企谷くん」 雪乃 あなたをそういう暖かい雰囲気の人間に変えてくれたのは、きっとその人なのね。 ……さようなら、比企谷くん 雪乃 どうか、あなたがそのまま幸せになりますように 八幡 雪ノ下は最後に、今まで一度も見せたことがないような満開の笑顔を見せた 八幡 そしてお代を置くと、店から出て行った 八幡「さようなら、雪ノ下。 お兄ちゃんはもっとマメに近況報告すること!一色先輩はまたいつでも遊びに来てくださいね、なんならお兄ちゃんなしでも!」 八幡「おい」 いろは「うん、次来るときはそうするね~」 八幡「……おい」 いろは「小町ちゃんも、いつでも私たちの方に遊びに来てねー。 待ってるよー」 小町「はい!ぜひぜひ!」 八幡「……そこらへんでいいだろ。 もう新幹線出るぞ」 いろは「はーい。 また行きたいですねー」 八幡「そうか」 いろは「はい。 ……ねーせんぱい、手、つないでください」 八幡「…はいよ」 いろは「せんぱいの手、好きです。 料理してる時とか、煙草持ってる時とか。 ……あと、私の体さわってる時も」ボソッ 八幡「おい、どさくさに紛れて何言ってんだエロ後輩」 いろは「あは、ちょっとえっちい気分になりました?トイレ行って口でしてあげましょうか~?」 八幡「アホか。 したら通報されるぞ、俺が」 いろは「冗談ですよ~。 ……ただ、なんとなく思ったんですよー。 せんぱいのこと好きだなーって。 せんぱーい。 すきすきー。 せんぱいはー?」 八幡「はいはい、俺もすきすき」 いろは「うわー適当だなー。 ……でも本当、先輩の実家、すごく居心地良かったです。 家族になりたいくらい」 八幡 ……これは、やっぱそういう意味だよな。 誤解の余地がない 八幡 いや、誤解とかなんとかそういう話ではない。 何故なら、俺はこいつとずっと一緒にいたいって。 そう思っているんだから 八幡「……一色。 帰ってからちょっと話があるんだが」 いろは「えーなんですかー。 プロポーズですかー?」 八幡「………」 いろは「あは、冗談ですよ~」 八幡 一瞬心臓が口から出るかと思った。 なーに見てるのー?」ダキッ 娘「きゃっ。 もー、母さん。 びっくりさせないでよ」 いろは「あはは、ごめんねー。 ……ああ、私と旦那さんのアルバム見てたんだあ」 娘「うん。 押入れから出てきたから。 二人とも若いねー」 いろは「まあ十五年くらい前の写真だしね~これ」 娘「へー……うわ、この父さん煙草吸ってる。 娘的にポイント低い」 いろは「昔は吸ってたんだよー。 似合ってたなあ」 娘「子供の前で堂々とのろける母さんも娘的にポイント低い。 ……煙草、なんでやめたの?」 いろは「んー聞いてはないけど、娘ちゃん妊娠したって伝えたときからやめたから、それが理由かもね」 娘「へー。 ……それはちょっと娘的にポイント高い」 いろは「でしょ」クス いろは「あ、これ結婚式の時の写真だー」 娘「へー。 ……ねえ、もしかしてこのボロボロに泣いてる人、父さん?」 いろは「そうだよー」 娘「父さんの泣いてるところ初めて見た…。 なんで泣いてるの?」 いろは「んー。 たしか、小町ちゃんがメッセージ読んでる時だったかな~」 娘「小町おばちゃん!へーそうなんだ」 いろは「小町ちゃんも泣いてたなーこの時。 懐かしいなあ」 娘「……ところで、父さんってなんで母さんを好きになったの?ねえ父さん」 八幡「ばれてたか」 いろは「わ、なんで隠れてたんですか」 八幡「娘と嫁が俺のいないところでどんな会話してるのかと思ってな」 いろは「旦那さんすきすきーって話をだいたい私がしてますよ?」 八幡「はいはい、そりゃどうも」 娘「娘の前でそういう会話をしないでほしいな……」 娘「それで、なんでかって聞かせてよ」 いろは「私も知りたいな~」 八幡「……言わん。 それよりいろは、今日はカレーが食べたい」 いろは「えー、教えてくださいよー。 ……もう、カレーですね。 娘ちゃん、買いものいこー」 娘「はーい。 アイス買ってね、ハーゲンダッツ」 いろは「はいはい、じゃあ旦那さん。 行ってきます」ニコ 八幡「おう」 八幡 なんで好きになったのかって。

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雪ノ下陽乃「比企谷君ひゃっはろー」ギュー 八幡「やめて下さい」

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ザバーーーン 八幡「…ふう」 八幡「…あいつら、買い物とかした後…晩めし食べて…それから」 八幡「ホテルか…」 八幡「時間的には…今頃、買い物か晩飯くらいか?」 八幡「風呂でなにしてんの、俺…」 -------------------------------------- その頃…ウナギの店 雪乃「ねえ、葉山くん…」 葉山「なんだい?雪乃ちゃん」 雪乃「まだ学生の身でこんな高い物…」 葉山「まあ一つ5000円だね。 大体うちの政略結婚の相手としては、隼人じゃちょっと物足りないと思わない?」 雪「え・・・?」 陽「そりゃ葉山のおじさまは優秀なうちの顧問弁護士だし、おばさまも医者だから一般家庭としては裕福な家だけど、どちらも世襲できるような職業じゃないじゃない?優秀な弁護士の息子が優秀になるとは限らないし?うちの会社もそこそこ大きな会社だからね・・・その顧問弁護士に求められるのは血筋じゃなくて弁護士としての実績だよ。 仮に隼人が優秀な弁護士になったとしても、うちの顧問弁護士になるのには20年は掛かるんだよ?そんな不確定要素を待つより、他から優秀な弁護士連れてきた方が良いに決まってるじゃないの。 それに会社が全国~世界展開していくと、顧問弁護士も大きな弁護士事務所にお願いすることになるでしょ」 八雪「「・・・・」」 陽「だからぁ、本気で政略結婚させるつもりなら、隼人なんかじゃなくて、どこかの大企業の御曹司を宛がうに決まってるじゃないの。 事実私にはそんな縁談が来そうだしね・・・」 八幡「…今頃、ホテルとか行ってたりして…」 八幡「いや、バレたらヤバいぞ?いくらなんでも行ってないだろ…」 八幡(つっても、もうやることはやってるよな…とっくに) 八幡(あの葉山がしないとも思えんし) 八幡(それにしても…壁を貫通して…) 八幡(葉山に抱きしめられて、尻撫でられて喘いでる、パンツ一枚の雪ノ下が鮮明に思い浮かぶのは何故だ?) ----------------------------------------- 雪乃「あ……っ、は、葉山くん…!そ、そんなに強く揉まれたら…私っ!」 葉山「雪乃ちゃん、こういう時は下の名前って言っただろ?」 雪乃「あぁ…くっ…隼人…くん…っ」 葉山「全く、言いつけを守れないならお仕置きが必要かな?」 雪乃「うっ…うん…っ!あっ…!だ、だめぇぇ…!」 葉山「比企谷が今頃、俺達のことを考えてるかもしれないよ」 雪乃「い、いや…言わないで…あぁ…!そ、そんなの…っ」 葉山「あははっ、もう雪乃ちゃんはとっくに汚れてるのにね」 葉山「彼はいつまでも、雪乃ちゃんを幻想の中に置いて綺麗なままにさせたいのかもね」 雪乃「い、いやぁぁぁ…!」 ドンっ 「ちょっと、邪魔なんだけど?」 八幡「えっ…あ、ごめん」 モブ「…?なにあいつ…?」 モブB「さあ…?」 八幡「………」 ------------------------------------ 放課後 奉仕部 雪乃「ん…あぁ…!…こんなところ見られたら…あぁ…っ」 葉山「見せつけてやってもいいんだけど」 雪乃「いや…だ、だめよ隼人くん…それは…っ!」 葉山「比企谷を椅子にでも縛り付けて、目の前で君を抱くなんて考えると…」 葉山「彼はどんな気持ちになるのかな?」 雪乃「そ、そんなの駄目…絶対にだめよぉ…あ、あんっ…!あぁ…!」 葉山「そんなに否定されたら嫉妬しちゃうじゃないか」 雪乃「あ、あん…っ!あぁ…あっ…!あぁぁ……!は、はぁ…っ…ゆ、許して…っ、隼人くん…っ」 葉山「比企谷が来るまで、もう少しかかりそうだね」 雪乃「は、はぁぁぁ…っ!」 八幡(まだ恋愛もしてない10代のガキが何言ってるんだって?いいんだよ、ガキなんだから) 八幡(それ以上の経験をしてないんだから、これに必死になるのは当たり前だろ?) 八幡(俺は雪ノ下を好きだったんだな…最近思い浮かべるのは、スカートから覗く白い下着) 八幡(奉仕部でも何回か見たことあるが…そのたびにドキッとしたな) 八幡(でも今では…葉山も思い浮かべるから悲しくなる) 八幡(キモイ発想だって?幻想の中に夢身過ぎだって言いたいのか?) 八幡(自分でもそう思ってたよ…自分が当時者になるまではな…) 八幡(対岸の火事なら、人間は冷静なもんだ) ------------------------------------------------ 生徒会室 八幡「一色、ここに段ボール置いとくぞ」 いろは「すいません、ありがとうございます先輩っ」 八幡「なんか最近礼儀正しいな、お前」 いろは「あはは、先輩に手伝ってもらってますし」 いろは「わたしもいつまでも子供じゃないですよ」 八幡「そうか」 八幡(まあ、確かにそうだな) コンコン いろは「は~い」 八幡「ん?」 三浦「あんたと違っていい奴と付き合ってるから結衣は」 八幡「そうかよ」 三浦「いまさら、近づいてくんなよ、わかった?」 八幡「…わかった」 三浦「警告はしたから、それじゃ」 八幡「……」 三浦「あんたには世話になった部分もあるよね、あの時はありがと。 じゃ」 スタスタ 八幡「なんなんだよ…一言で片づけるな…」 -------------------------------------------- スタスタ 戸塚「それじゃあ、部活がんばってね」 八幡「おう、勉強だけどな」 戸塚「あはは、それじゃ」 八幡「……女子と帰るのか、確か戸塚にも彼女ができたとか…」 八幡「奉仕部に行くか…」 八幡(由比ヶ浜に彼氏、一色にも彼氏か…) 八幡(戸塚にも彼女がいるみたいだしな…なんだよそれ) 八幡(地獄の大穴に落とされた…これはあまりにも…) 八幡(身動きがとれない状況で…雪ノ下の喘ぎ声が大きくなっていくのがわかる…) 八幡(これが本来の俺の位置…葉山の位置ははるか天上だ…) 八幡(今回のこの事態もあいつなら乗り切れるだろう…だから実行した。 俺との決定的な差を知らしめる為に…) 八幡(俺はいつの間にか、分不相応な地位に甘んじていた…そこから元の位置に行くのを嫌がっていた…) 八幡(だから…これは地獄じゃない…普通のことだ…抵抗したから、お仕置きされてるだけ…) 八幡(雪ノ下も今、仕置きをされてるみたいだ…アナルがどうとか…) 八幡(もういい…疲れた…さっきの睡眠薬の影響で寝れるだろう…) 八幡(きっと目が覚めれば、小町が起こしてくれるだろう…今日は日曜日だ…) 八幡(そうだよ…これはきっと悪い夢だ…) 小町「…」スタスタ 「おはよー」 「ういっすー」 小町「あ、おはよう~」 小町「……」 小町(結衣さんに彼氏ができたみたい…一緒にいたあの人がそうなのかな?制服は違ったけど) 小町(雪乃さんも彼氏を持って…他にも、お兄ちゃんの周りの人が少しずついなくなった…) 小町「大丈夫だよ…お兄ちゃんが引きこもりになっても…小町はお兄ちゃんの味方だからっ!」 ?「よう、小町」 小町「あ、おはよう~、今日もいい天気だねっ」 ?「そうだよな、今日いい天気だし、帰りどっか寄って行かないかっ?」 小町「うん、いいね。 そうしよっかっ!」 ?「今夜は…よし、今夜こそは…」 小町「えっ?どうしたの?」 ?「いや、なんでもないって」 八幡(これが俺の現状だ…) 八幡(はは…専業主夫みたいだ…いや、ただの引きこもりです、はい) 八幡「マジでこれからどうするか…学校行くか?」 八幡「いや、それは…俺の居場所はあそこにはない…」 ふにゃ~ご… 八幡「おう、カマクラ…元気かよ」 八幡(こいつがいたな、そういえば…) 八幡「俺の味方は…小町だけか?あと、辛うじてこいつ…」 八幡「なんか犬でも飼うか?世話はできると思うが…高いか」 八幡「やべぇ…どんどん逃げの方向に行ってるよ…」 八幡「出席日数もあるし…とりあえず高校は卒業しないとな…」 八幡「そのあと大学行かせてもらって…なんか悪いな…こんな俺を」 八幡「…あれ?俺、今ちょっとだけ前向きに考えられてないか?」 平塚「…特に変わってはいないよ、以前も葉山と雪ノ下は勉強していただろう?」 八幡「ああ、葉山が入ってきてましたね。 由比ヶ浜が来なくなって…」 平塚「表面上はそれと変化はないが…」 八幡「はあ?」 平塚「葉山がお前を追い出したということになってる」 八幡「どういう意味ですか?それは…!」 平塚「そういう噂が出ているよ、雪ノ下から比企谷を守ったっていう風にな」 八幡「葉山…」 平塚「すまない比企谷…私もそれはさすがに信じてはいないよ」 平塚「しかし、こういう噂は収束が難しいというのは君ならわかるだろう?」 八幡「……そうですね、一旦広まったら尾ひれがつきますからね」 平塚「ああ…とにかく、君は教室に行くんだ。 気を強く持ってな」 八幡「……」 八幡(…平塚先生が…頼りなく感じたのは初めてかもな…) 戸部「なに言ってんだよ、奉仕部でエロイ目線で結衣たち見てたって噂立ってるし」 八幡「なに言ってんだ?」 三浦「やめろっての、戸部。 でも、ヒキオもさ」 八幡「なんだよ?」 三浦「仲間だと思われるから、どっか行ってくんない?悪いけど」 海老名「うわ…きつい…」 八幡「病み上がりで帰ってきた奴に、会って早々言うセリフか?」 三浦「失恋で、雪ノ下さんに酷いことしようとしてたんでしょ?隼人がそう言ってるし」 八幡「そんなわけ…!」 葉山「いや、優美子。 それは色々と誤解があるよ、彼は諦めてなさそうだって言いたかったんだ」 葉山「まあ、俺にはなにか起こすんじゃないかって雰囲気はあったけどさ」 三浦「ほら」 八幡(なんだこれ…なんだ…?) 雪乃「そ、それは…本当に申し訳なかったと思ってるわ…!…でも、私も無理やり…」 八幡「なに言ってる?スカートめくったのは自分でだろ?葉山と俺を天秤に掛けて、葉山を選んだだけだろ?」 雪乃「…あ、あれも無理やり…!」 八幡「その割には随分感じてたんじゃないのか?雪ノ下…お前、もう葉山のこと完全に受け入れてるな?」 雪乃「そ、それは…」 モブ「なんだなんだ?なんかヤバくないか?」 モブ「あれって比企谷とかいう…去年の文化祭でも問題になった」 モブ「雪ノ下さんに絡んでるの?やだ…」 八幡(周りが気にしてる…でも止まらない…) 八幡「嫌悪感持ってるのは嘘だったのか?嫌いじゃなかったのか?」 雪乃「う、嘘じゃないわ…本当よ…」 八幡「婚約の話で変わったか?身体のつながりでうやむやになってしまったのかっ!?」 雪乃「ひ、比企谷くん…うぐっ…」グスグス 八幡「なんとか言えよ…俺と葉山と3人で勉強してた時…お前は一人の俺を憐れんでたんだろ…?」 葉山「比企谷…」 八幡「葉山…」 葉山「これ以上、彼女を罵るのは俺が許さないぞ」 八幡「葉山…どの口がそんなこと言うんだ…?お前が…俺を…貶めたくせに」 葉山「今の現状では意味がないことくらい、君にもわかるだろ?ほら」 八幡「…」キョロキョロ モブ「うわ…こっち見た…コワい…」 モブ「葉山くん、やっちゃえ~ボコボコにしてやれ~」 モブ「あいつって、引きこもってた奴なんだろ?そんな奴と卒業一緒とか嫌だわ…」 八幡「……」 葉山「これが、君の現状だ。 わかっただろ?」 八幡「…」 スタスタ 葉山「行ったか…殴りかかってくれても面白そうだったけど」 葉山「そうすれば、正当防衛で思い切りやれたのに」 葉山「大丈夫かい雪乃ちゃん?ほらハンカチ」 雪乃「…ありがとう…」 放課後 スタスタ 進路指導室 平塚「じゃあ、一応大学進学ということでいいのかな?」 八幡「はい、一応ですけどね」 平塚「まあ、君の成績なら問題なさそうだが…比企谷、今の君は心の方か」 八幡「そうかもしれないですね」 平塚「私に話せないようなことなら、心療内科に行くというのもいいかもな」 八幡「俺、鬱なんすか?」 平塚「心の問題は鬱だけじゃないだろ?」 八幡「抵抗あるんですけど…」 平塚「そうだが、専門家に話すのもいいかもしれないぞ。 もちろん私でも構わないが」 平塚「今時、心療内科に通ってる人なんて珍しくないしな」 八幡「そうかもしれませんけど…考えときます」 平塚「ああ」 八幡「じゃあ、これで失礼します」 ガラガラ 葉山「ふむ、彼は今日は来るのかな?」 戸部「来るんじゃね?来ないと楽しくないし」 葉山「ん?そうかい?俺はもう、彼のことはどうでもいいけどね」 葉山「雪乃ちゃんのことで忙しいし、あんまりやり過ぎるのもね」 戸部「じゃあ、俺が貰おうかな~、最近ストレス貯まっててさ」 大岡「ああ、勉強の発散しないと駄目だよな」 葉山「……彼も大変だな。 いくら無努力の末路とはいえ…」 結衣「ヒッキー大丈夫だよね…」 三浦「あんたはもう関係ないんだし、今の彼氏に集中しな」 三浦「じゃないと捨てられるよ?うまくいってるんでしょ?」 結衣「うん、そうだね。 ひどいことしないしっ」 三浦「大学進学まで清い交際しようってのが凄いと思うし」 サッカー部の部室 八幡「…小町っ!…」 戸部「ヒキタニくん、静かにね?あんまり騒ぎになるとまずいっしょ?」 八幡「くそっ…なんでこんなっ」 戸部「あ、でもあんま近づかないでね?ヒキタニ菌移りそうだし」 八幡「しね」 大岡「お前、あとでボコボコなっ、部活の後輩の血の気の多いの何人か連れてくるわ」 八幡「……」 戸部「おおっ、それはストレス発散になりそう」 小町「や、いやぁあぁぁ…こ、こんなの…!」 ?「へへ、ここなら誰にも邪魔されないって」 小町「あぁぁ…ぁ…だめ…だめ…」 ?「小町、やっぱり可愛いな。 前から一回ぶち込みたいって思ってたんだ」 ?「ガード固かったけど、付き合って結構経つしようやくって感じだ」 小町「や、やだ…こんな強引なんて…わ、別れる…!」 ?「うるせぇな…とにかくぶち込んでからな?そういう話は」 小町「い、いやぁぁ…!お、おにいちゃん…!」 ?「へへ、そういえば兄貴いたっけ?なんか暗い変なやつなんだろ?」 小町「ああぁぁぁ…」 ?「そんな奴に頼ったって無駄だっての、そうらっ」 ドゴン ドゴン ?「うおっ!な、なんだ…!」 八幡「小町…小町…!」ドゴンドゴン 戸部「ちょ、ドア壊れるっての…!やめろよっ!」 大岡「おい…向こう連れていくぞっ!」 八幡「ちょ、おい…離せ…お前ら…!」 戸部「もう、無駄だって…綺麗な妹なんて幻想だから」 大岡「とにかく、お前はさっきの悪口の清算な?」 八幡「な、なんだと…死ねよ…お前ら…クズが…!」 小町「え…お、お兄ちゃん…?」 ?「なんかビックリしたな…速攻終わらせるか」 小町「え…?い、いやぁぁぁぁ!」 ------------------------------------------------ 葉山「ハハハ…それに俺の彼女の父親は千葉県の総会屋を牛耳ってる雪ノ下建設の社長だぞ?」 冴島「せやったら何や…そんなヤクザ紛いの連中…何人だって相手になったるわ。 」 桐生「あぁそうだ…あんまり人を舐めない方がいいぞ?」 葉山「少なくとも500人入るんだぞ?お前らなんて秒殺だ…」 真島「その雪ノ下建設言うのも歯ごたえなかったで~?折角、久々に大暴れ出来る言うから楽しみにしとったのに~」 葉山「な、何だって!?そんな冗談信じるわけ…」 真島「信じとうないんやったら、今すぐ会社に行ったらええで~まぁその前にお前は死ぬけどのぉ~」 葉山「なっ、なんなんだよ!こいつらぁ!」 その後…葉山たちの姿を見た人間はいない…噂によると、海外で生活をしているらしい。 今の俺はどうしているかというと、葉山たちに負わされた怪我を 治すためにリハビリに励んでいる。 雪ノ下もこんな俺に賢明に付き添ってくれている。 いつか、想いを伝える日が来るのだろうか… 小町は小町で大学進学を目指して勉強に勤しんでいる。 新しい彼氏が出来て、幸せそうだ。 おしまい.

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比企谷八幡×一色いろは
いろは「せんぱーい、そろそろ千葉ですよー。起きてくださーい」

俺ガイル ss 陽乃 婚約

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 』原作12巻にはとても満足している。 単純に読んでいておもしろかったし、何より考察し甲斐があった。 『俺ガイル。 』の卓越した点は登場人物が「生きている」ところであると私は考えているが、それは12巻においても損なわれるどころか、明確化しているように思えた。 下記、2回読み直しての私なりの考察をまとめていこう。 8000字という長文、且つ記事の性質上盛大にネタバレしていくのでご了承くださいませ。 「」をご覧ください。 で、この12巻の序盤でその「依頼」の内容が明らかになっている。 どうやら雪ノ下には建設会社社長且つ県議会議員である「父の仕事を継ぐ」という夢があった。 だけど、その役目は姉の陽乃が引き継ぐものとして母によって予め決められていたようである(P44)。 「……私の依頼はひとつだけ。 ……あなたたちに、その最後を見届けてもらいたい。 それだけでいいの」 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 』12巻、P49 つまり、父の仕事の行く末について母に直接聞き、はっきりとさせた上で自分の意志でその夢を諦めたい。 その最後を見届けて欲しいということである。 ちなみに、由比ヶ浜が言っていた「ゆきのんの今抱えてる問題、あたし、答えわかってるの」(11巻、P312)における「問題」及び「答え」と、ここで雪ノ下が言っている「依頼」は同義ではない。 恐らく由比ヶ浜は「今抱えている問題=比企谷への恋心」だとみなしているのだと思う。 従って、雪ノ下が上記「依頼」を口にした時、由比ヶ浜は「ゆきのんの答えは、それ、なのかな……」(P49)と違和感を覚えている。 由比ヶ浜については、比企谷が「由比ヶ浜はたぶんまちがえない。 彼女だけはずっと、正しい答えを見ていた気がする」(11巻、P314)と、また本12巻で陽乃に「本当に勘がいい子だよ。 全部わかってるんだもん。 雪乃ちゃんの考えも、本音も、ぜーんぶ」(P342)と評されていることから、由比ヶ浜が抱いたその違和感は恐らく正しい。 だけど、雪ノ下は決して逃げたり誤魔化したりしてその「依頼」を宣言したのではないことは文中のあらゆる表現から読み取ることができる。 彼女自身の確固たる意志で選び取ったものだ。 雪ノ下は比企谷への恋を諦めたのか? 原作10巻(アニメ2期11話)の保健室での出来事以降に顕著になっていた雪ノ下が比企谷に思いを寄せているらしい表現は、本12巻では清々しいくらいに全く出てこない。 これには3つの異なる説が考えられる。 それは恋ではなく単なる依存だったと雪ノ下自身が気付いたから 2. それは恋だったが諦めた(由比ヶ浜に譲った)から 3. 未だに恋心を抱いているが隠しているから どれが本当の理由か、あるいはもっと他の理由があるのかは続巻を待たなければならないが、少なくとも由比ヶ浜は本12巻における二つのinterlude(P96, P358)において「それは恋だったが諦めた(由比ヶ浜に譲った)」ことを示唆、独白している。 前述の通り、由比ヶ浜は「全部わかっている」のであり、それは極めて有力な見解だ。 雪ノ下はなぜプロムを手伝ったのか 一色いろはが持ち込んだ謝恩会をプロム形式で行うという提案を雪ノ下が手伝ったのは、雪ノ下にとってプロム自体をやりたい動機があったからではない。 雪ノ下にとってはそれがプロムでもそうでなくてもどうでもいいことで、自分が変われるチャンスがそこにあったから自分の意志で依頼を引き受けた。 一色がプロムをやりたい理由は12巻を読む限り「プロムをやりたい」というただそれだけの理由による。 卒業生や他の誰のためでもなく、自分が将来プロムクイーンに選ばれるという痛快なまでの私利私欲のためだけにやりたいと言っている。 つまり、一色と雪ノ下の利害が一致したのである。 自分のためにプロムをやりたい一色と自分が変わるチャンスが欲しかった雪ノ下。 雪ノ下にとっても他の誰のためでもなく、言ってしまえば自分を変えるという私利私欲のために協力する。 このプロムの企画に論理はない。 以前までのように「頼まれたから」という言い訳がましい理由もない。 あるのは明確で美しい真っ直ぐな感情だけだ。 比企谷八幡における考察 もはやぼっちではなくなった比企谷 雪ノ下が単独で生徒会主催のプロムの手伝いをする中、それまでは奉仕部に足を伸ばしていた比企谷は放課後にやることがなくなってしまった。 それをいい機会とばかりに家でテレビゲームに熱中するが、数日で飽きてしまう。 で、クラスメイトの戸塚に「そのうち暇な日あるか?」(P220)と誘うなど以前の比企谷であれば考えられない見ようによっては奇行とも言うべきことさえし始める。 それは比企谷自身も「ここ最近の俺の有様は以前の俺からすれば病的にさえ映る」(P347)と自覚している。 奉仕部に入らさせられる以前の比企谷はぼっちであり、学校が終わればそのまま真っすぐ帰るのが当たり前だったのだが、ここきて比企谷も変わり始めていることが明白になっている。 それが、積極的に人と関わるようになったというポジティブな捉え方をすべきことか、葉山たちリア充グループに倣うように没個性化しつつあるというネガティブな捉え方をすべきことかはわからないが、大いなる変化であることには違いない。 比企谷は頼られることが実は好き 本12巻における本題は卒業式の後に開かれる謝恩会をプロムナード(舞踏会)形式で行いたいという一色いろは率いる生徒会の発案を雪ノ下が手伝うことである。 だが、このプロム発案が出てくるのが物語も後半に差し掛かる頃(P188)から。 では前半では何が起こっているのかというと、前巻11巻からの続きと、比企谷のクラスメイト川崎沙希とその妹と偶然居合わせるエピソード、それと比企谷の妹である小町とのエピソードである。 私は読みながら、あらすじにある「ある大きな依頼」がなかなか登場しないぞと訝っていたのだが、この前半のエピソードの積み重ねが後半に大きな意味をもらたすことを読み進めるうちに知ることとなる。 かつて陽乃が、雪ノ下が比企谷に寄せる感情について「そう、あれは信頼とかじゃないの。 ……もっとひどい何か」(10巻P340、アニメ2期12話)と発言していることを踏まえ、それは信頼ではなく恋愛感情でもなく「依存」であると大いに推測された。 そして、本12巻においてそれがまさしく「依存」であったと物語中で初めて言葉で示されるのだけれど、ただの依存ではなく陽乃曰く「共依存」(P346)であるという。 つまり、雪ノ下は自分の意志・決断を比企谷に委ねることで依存し、比企谷は比企谷で雪ノ下を助けることにまんざらでもない喜びを見出しているという意味で依存していたということである。 この結論を読者に提示するために、比企谷が川崎沙希の妹である京華を甘やかすシーン(P118)を提示し、小町が明確に兄離れするシーン(P146)を描き、「と言いつつも、わたしに頼られてすごく嬉しそうな先輩なのでした」(P247)、「過保護」(P250)という一色いろはの台詞を差し挟み、雪ノ下を助けようとする比企谷に対して最後に会心の一撃「……まだ、『お兄ちゃん』するの?」(P336)という陽乃の台詞でとどめを刺す。 物語を通じて比企谷は単独行動を好み、他人に積極的に介入しない良くも悪くも理性的で自立した人間であると思っていたのだが、頼られると黙っていられない比企谷の信念・善意が相手の自立を阻害してしまうことがクローズアップされている本12巻での問題提起には唸った。 人に任せることができない「何でも自分でやらなければ気が済まない病」であるとも見ることができる。 雪ノ下が自分で問題を解決すると強がりではなく本心で言っているのだから静かに見守ればいいのに、結局はプロムの開催に拘泥してしまってそれができない比企谷。 平塚先生に「君は人の心理を読み取ることは長けているけれど、感情は理解していない」(9巻P225-226、アニメ2期8話)と指摘されていたのがそのまま当てはまっている。 9巻での一色いろはの荷物を持ってあげるシーン(アニメ2期6話など)も小さな伏線になっていると考えることもでき、その一貫性には戦慄する。 本12巻は雪ノ下は自分の意志で自分の足で踏み出そうとしているにも関わらず、比企谷は何も変わらず立ち止まったままであることが対照的に描かれているのが印象的だ。 「心が揺れる」が意味するもの 実際、手作りというアイデアは悪くない。 貰った側の心に強く訴えかけるものがあるし、何より手間暇をかけて作ってくれた事実に胸を打たれる。 それが憎からず思っている相手であれば、なおのこと。 本当に、心が揺れる。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 』12巻、P315 前巻11巻の最後で「お礼だよ」と由比ヶ浜に貰った手作りクッキーのことを言っている。 比企谷の心が揺れているのはこれが初めてではない。 何なら最初の最初からぐらんぐらんしまくりであるところを自意識によって無理矢理抑えつけていた。 ただ、ここまでシリアスに「本当に」と強調してまで心が揺れているのは初めてではないか。 由比ヶ浜が比企谷に好意を持っていることについて比企谷自身は恐らく気付いている。 だけど、中学時代の折本との件(8巻)があり、確信が持てないでいるのだと思う。 自分自身の気持ちも恐らく良くわかっていない。 上記引用文中の「憎からず」という表現から察するに恋愛感情はなさそうだけれど、嫌だとも思っていない程度だろうか。 「心が揺れる」というのは、「恋に落ちそう」というほどの意味ではないように思われる。 相手から向けられる好意らしきものをそのまま額面通りに受け取ってしまってもいいのかという葛藤であろう。 比企谷はかつて陽乃に電話口で「自意識の化物」と言われた(8巻、P147)。 自意識とは「自分とはこうあるべきという意識」であり、「自意識の化物」ということは「自分とはこうあるべきという意識が肥大化しすぎている」ということだろう。 比企谷は中学時代、折本への告白が失敗したことによって好意らしきものを敢えて好意と受け取らないために「自意識の化物」が形成されたことが作中で大いに示唆されている。 高校に入ってからはここまで一貫して自意識=理性を堅牢に保っている。 しかし、由比ヶ浜の度重なるアプローチと手作りクッキーによって「好意らしきものを好意として受け取りそうになっている=心が揺れる」ことになっていると考えることができよう。 雪ノ下陽乃における考察 雪乃に意地悪をしていたわけではない 前巻11巻までは雪ノ下陽乃の印象は決して良いものではなかった。 ここぞというところで茶々を入れてきて、それが善意によるものか悪意によるものか判別がつかない。 ところがこの12巻で陽乃の印象が一変する。 雪ノ下の将来についての話をきちんと聞き入れた上で陽乃から善意で協力さえ申し出(P72)、酒を飲みまくるという人間味のある行動を起こし(P54-)、雪ノ下の自立を促すために比企谷のおせっかいを静止する(P336)。 いずれにしても陽乃が今までしてきた行動はもちろん面白半分の茶々がなかったとは言わないが、雪ノ下や比企谷に嫌がらせをするための行動だったのでは決してなさそうだ。 雪ノ下の自立を促すために善意で孤軍奮闘してきたとも言える。 陽乃の圧倒的な孤独 同じく、前巻11巻まで陽乃の印象は決して間違えない完璧な人間で、ある意味人間的でないとさえ思っていたのだが、12巻では前述通り酔っ払ってみたり、ふと悲しげな表情をしてみたりと人間味が伺い知れる。 具体的には圧倒的な孤独を感じるのである。 振り返ってみれば陽乃に友だちがいると示唆されたことは一度もないし、比企谷たちに度々ちょっかいをかける程に時間が有り余っているようであった。 陽乃の言う「酔えない」(P94)とは恐らくメタファーで「何事にも夢中になれない」という意味だろうか。 「どんなにお酒を飲んでも後ろに冷静な自分がいるの。 自分がどんな顔してるかまで見える。 笑ったり騒いだりしても、どこかで他人事って感じがするのよね」(P92)は本作において陽乃が語る数少ない自身に対する本音である。 陽乃も比企谷同様、人の心理は読めても感情がわからないのかもしれない。 あるいは、本人の意に反して将来のことを決められており、それに「夢中になれない=酔えない」という意味かもしれない。 陽乃は何を諦めたのか 「だけど、その共依存も、もうおしまい。 雪乃ちゃんは無事独り立ちして、ちょっと大人になるんだよ」 「あいつは……、何を諦めて、大人になるんですかね」 彼女とよく似た微笑が、くしゃりと悲しげに歪んだ。 「……わたしと同じくらい、たくさんの何かだよ」 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 』12巻、P347-348 陽乃はたくさんの何かを諦めて今こうして大人になっていることを示唆している。 では、何を諦めたというのか。 ここからは私の完全なる推測である。 恐らく、陽乃と葉山はお互いの意に反しながらも家庭の事情で婚約させられている。 雪ノ下家が経営する建設会社の顧問弁護士が葉山の父であり、政略結婚的な意味合いがあると思われる。 葉山と雪乃はかつて両思いだったが、上記理由によってお互いに諦めさせられた。 陽乃には意中の相手が他にいたか、あるいは他にやりたい事があったが、それも断念させられて今に至る。 このように考えると、雪乃と葉山が付き合っているという噂が流れた際(10巻、アニメ2期11話)にお互いが痛憤する理由に辻褄が合うし、陽乃が葉山と自然に行動を共にしている様が散見されることにも納得がいく。 現時点でわかる証拠を集めて組み合わせるとこのような仮説が導き出されるのだが、どうだろう。 由比ヶ浜結衣における考察 本12巻では本編中に三つの短いinterlude(登場人物の独白みたいなもの)が差し挟まれており、最初の一つは恐らく比企谷であり、後の二つは由比ヶ浜の心情である。 すなわち、由比ヶ浜視点で物語を捉えることができる箇所があるということである。 「ずるい」が意味するもの 二つ目のinterludeでは由比ヶ浜が、雪ノ下が比企谷に思いを寄せているらしい証拠を発見してしまうシーンが描かれるが、そこで由比ヶ浜の言う「ずるい」について言及される。 前巻11巻のラストでも「あたし、ずるいんだ」「ずるいかもしんないけど……。 それしか思いつかないんだ……」(11巻、P311,P313)と強調して繰り返していた言葉だ。 由比ヶ浜が比企谷に恋心を抱き続けているのは明白である。 決して諦めたわけではない。 だけど、雪ノ下と比企谷が両思いであると由比ヶ浜は思い込んでいて、比企谷の気持ちを知るのが恐いと思っている。 彼女の気持ちを聞くのはずるいことだ。 自分の気持ちを言うのはずるいことだ。 でも、彼の気持ちを知るのが怖いから。 彼女のせいにしているのが一番ずるい。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 』12巻、P99 「雪ノ下の気持ちを聞くのがずるい」というのは、聞いてしまえば雪ノ下はきっと否定するだろうから「雪ノ下に聞くこと=雪ノ下に否定させること」と同義であり、ずるい。 「自分の気持ちを言うのがずるい」は、抜け駆けを指すのだと思われる。 雪ノ下の気持ちを知りながら比企谷にアプローチすることはずるい。 「雪ノ下のせいにしているのがずるい」のは、雪ノ下が比企谷に思いを寄せているという理由をこじつけて由比ヶ浜自身が何も行動を起こさない大義名分にしてしまっているところがずるい。 これは、上述の雪ノ下の依頼(夢を諦める最後を見届けてもらいたい)が語られる過程における雪ノ下の台詞「でも、ちゃんと言うべきだったんでしょうね。 それが叶わないとしても……。 たぶんきちんとした答えを出すのが怖くて、確かめることをしなかったの」(P48)が由比ヶ浜の心情ともダブっている。 雪ノ下は自分の意志で歩き出すことを選んでいるのに、比企谷同様、由比ヶ浜もただ手をこまねいているだけであるという見事な対比になっている。 ここで言う「本物」とは、比企谷が泣きながら吐露した「本物が欲しい」(9巻P255、アニメ2期8話)のことである。 比企谷の言う「本物」とは「わからないことは怖いことだから、相手のことを完全に知り尽くして安心していたいという傲慢さを許容できる関係性」(9巻、P254より大意)であり、恐らく比企谷と小町の兄妹のような関係のことを指しているのだと思われる。 この9巻のシーンにおいては、由比ヶ浜が「もっと話せばわかるよ」と主張するのに対し、比企谷が「話さなくてもわかる関係が欲しい=本物が欲しい」と意見が食い違っているところは注目すべき点である。 で、本12巻においてなぜ由比ヶ浜が「本物なんて、ほしくなかった」と言っているかというと、由比ヶ浜の視点では比企谷と雪ノ下の中にその「本物」があるように見えているからに他ならない。 比企谷と雪ノ下は根底で似ているところがあって、「言わなくてもわかる」要素が由比ヶ浜には目に付く。 由比ヶ浜はそんな雪ノ下を羨ましく思っている(あるいは嫉妬している)ようである。 対して由比ヶ浜は「話せばわかる」と考えているのであり、比企谷の求めているものと自分が持っているものとの間には差異がある。 比企谷の言う「本物」を探す物語のゴールに自分がいるとは思えない、と由比ヶ浜は思っている。 だから由比ヶ浜は、雪ノ下と共に奉仕部として「比企谷の依頼=本物が欲しい」を引き受けた(9巻P426、11巻P318)けれど、実は「本物なんて、ほしくなかった」と考えているのである。 最後のシーンでなぜ涙が流れたのか 12巻の特に後半は由比ヶ浜ルートが大いに示唆されるものであって、由比ヶ浜推しの私としては大変に嬉々としていたのだが、最後の最後で恐るべきどんでん返しが起こった。 すなわち、由比ヶ浜と一緒に小町の合格祝いの手作りケーキを作る予定の道中、プロムの中止を聞かされた比企谷は由比ヶ浜との約束を反故にし、一人で雪ノ下を助けに行ってしまうのである。 「……そっか、でも、ヒッキーが行ってくれるなら、なんとかなっちゃいそう」 そして俺を肯定してくれるように、うんうんと大きく何度か頷いた。 その拍子に、つっと、光る雫が流れた。 それを目にした瞬間俺は息を呑む。 けれど、俺が呆けるくらいに驚いたからか、由比ヶ浜も自身の目元に気づいて、すぐに頬を指で拭った。 「え、あ、なんか安心したら涙でてきた。 びっくりしたー……」 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 』12巻、P354 このシーンの後、由比ヶ浜は「やー、わからないことだらけだったから……。 なんかひとつでもわかるとほんと安心する」(P355)と言っており、これはすなわち、由比ヶ浜にとって「比企谷の気持ち=雪ノ下に思いを寄せていること」に比重が置かれてしまったことを示唆している。 「比企谷にとっては由比ヶ浜との約束よりも雪ノ下を助ける方が大事」もっと言えば「比企谷は由比ヶ浜よりも雪ノ下を大切に思っている」という単純な事実を見せつけられ、図らずも涙が溢れた。 そのショックは計り知れない。 比企谷は本当に人の感情がわからない奴だ。 由比ヶ浜にとって比企谷の気持ちを知ることは怖いことだった。 踏み出せなかった。 だからこそ、雪ノ下の家で見つけてしまった写真を見なかったことにし(P98)、「……あと、お嫁さん、とかね」と子供の頃の夢を置き去りにするように比企谷に背を向けて言い(P313)、それでも思いは胸に秘め続け、この後一緒に楽しくケーキ作りをするはずだった。 それがここにきて、これ。 続巻以降、由比ヶ浜も主体的に何か行動を起こすものと思われるが、ああ、切ない。 比企谷は罪な男だ。 「」をご覧ください。 読み応えのある考察でした! 色々あるんですが、一点だけコメントさせてください。 雪乃は八幡への恋を諦めたのかという問いへの仮説として「それは恋ではなく単なる依存だったと雪ノ下自身が気付いたから」と指摘されていますね。 私もこの意見に賛成です。 でも、気づいた上で、「自分でちゃんとできる」ことを示す、つまり自立して見せた上で「ちゃんと始める」のではないかと思います。 では何を始めるのか、一つは自立できたら改めて八幡への恋も始められる(まだ結衣との関係という難しい問題が残りますが)ということじゃあないかと、私は感じました。 結衣は「ゆきのんの答えは、それ、なのかな・・・」と問うていますが、雪乃としてはまず自立してから三角関係にも何らかの答え(諦めることも含む)を出すつもりじゃあないかと思うわけです。 多分、雪乃は八幡に告白するのでしょう。 その前にやらなければいけない大きな問題がありますけど。 もう一つ。 第一の「幕間」は私も最初は八幡の独白だと思ったのですが、読み返してみると雪乃の独白のように思えてきました。 「長い話」をしなければならないのは雪乃です。 「今更逃げるのかと、歯噛みしたくなる」のも、「私の依頼、聞いてくれる?」と問いかけた雪乃のはずです。 如何でしょう? 筆者様の考察とても興味深く読ませていただきました。 本書で焦点のあまり当たっていない一色いろはについて自分なりに考察させていただきます。 P199で葉山と八幡が同時にプロムキングになれないことに気づき留年などの話をしている所からも、八幡をキングにしてクイーンの自分と釣り合いが取れているという免罪符を公衆から勝ち取ろうと企んでいるのではないかと自分は思います。 また、P210の「雪乃先輩」という呼び方も雪ノ下をライバルとして意識していることが窺えます。 他に下の名前で呼んでいたのは由比ヶ浜だけだったと記憶しています さらに、プロムの件では安易に八幡の助けを求めないところからも、彼女もまた雪ノ下と同じく本物を求めて八幡からの自立を目指しているのではないかと思います。 結果、P247での雪ノ下の事は結構好きという発言に繋がっているのではないでしょうか。 雪ノ下の成長が顕著に書かれた本書でありますが、いろはにも少しの成長が感じ取れて面白かったです。

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