あんさん ぶる エブリデイ。 あるある☆エブリデイ / せれん&ももか&のえのん

#あんさん腐るスターズ! #奏千 (3/14更新)【腐向け】かなちあんさぶるエブリタイム(序【お知らせ含

あんさん ぶる エブリデイ

全部は無茶が過ぎるので…。 以降はついったーで進行しますのでよろしくどうぞ~。 メンテ前に書き起こした限りではスト数は暫定198、余力があって追憶まで書ければ204。 各スト裏につき一本で3000字以下が目標。 圧倒的時間不足。 なお、人間の情緒は5歳までに大人並のものが揃うが、大人は複数の情緒が組み合わさった形の感情になることが多かったりします。 詳細は最下部へ。 または自分で書いてください。 現在フォロワー限定で公開中。 フォローは公式系だけですが常識の範囲内でしたらリプも対応しますしおしゃべり大好きなんで声かけてくださるのは嬉しいです。 ツイフィ必読。 こう言うと大したことなさそうだけど、子どもにとっては一大事。 そして、まぎれもなく深海奏汰の情緒は、幼児のそれなのだとやはりわたしは思うのです。 奏汰も隣に座り、ぴたりと寄り添う。 すると千秋は奏汰を見て、しかし頬笑むばかりでまたすぐに一年生の方を向いてしまった。 少し前までならば、こうして寄り添えば必ずと言っていいほどに頭を撫でてくれたのに。 不満もあらわな顔で見つめるものの、千秋は意にも介さずプレイヤーを操作して音楽を流す。 また前方を向いたのに渋々と奏汰も同じ方を向いた。 曲に合わせて三人の一年生は歌い、踊る。 歌声も、ダンスも、パフォーマンスも、特筆するところは何もない。 奏汰の方がもっと完成度の高いうつくしい歌と躍りを魅せられるのに、なぜ千秋は自分を半ば無視してにこんな子どもたちに構うのだろうか。 そう思って千秋を横目に見て、奏汰は絶句した。 「ッ……よし、ああ、……うん、うん……っ!」 肺活量の足りていないかすれきった声なのに、おぼつかないステップなのに、たった二人の先輩の視線ですら目を逸らすのに。 なのに三人の後輩たちを見つめる千秋の瞳は、見たこともないくらいにまばゆくきらめいていた。 喩えるならそれは沈みゆく暁のなかで星がきらめく夕空。 奏汰が焦がれてやまない色をした瞳が星のきらめきに輝いていた。 あまりのまぶしさに目が焼かれたような心地を覚える。 すぐさま視線をそらし、まばたきを繰り返した。 なぜ千秋の瞳はあのような輝きをたたえていたのだろうか。 「……っよし、お疲れさま、三人とも! まずはひと休みしてくれっ」 たったの一曲で疲れた様子の一年生に声をかけながら立ち上がった千秋は、先に用意しておいたのだろう、かばんの中から水のペットボトルを三本取り出した。 一瞥もされることなく置き去りにされた奏汰は、その事実がうまく理解できなかった。 (ぼくのほうが『うまく』できるのに、ちあきにはこのさんにんのこどものほうが『すてき』にみえている……?) 今までだって、奏汰に歌って踊っめ見せたことがあるし、共に並んだことだってある。 なのに今、千秋の瞳がもつ輝きは今までに見たこともないほどに美しく魅力的だった。 それは奏汰にとって初めての経験だった。 自分に尽くしてくれた人が、自分のために他人へ目を向けるのではなく、その人自身のために他人へ目を向けるのだ。 その上、今までで一番にきらめく瞳と表情を向けている。 あの顔は奏汰も知っている。 嬉しいときの顔だ。 音程が、リズムが、手足の伸びがと話は続く。 斜め後ろから覗く千秋の顔は相変わらず輝いている。 照れる一年生と話す姿を奏汰は呆然と見つめるしかなかった。 息が止まって呼吸が苦しくなったのに気づき、胸を押さえる。 手に感じる鼓動は重く強く高らかに奏汰の胸を締め付ける。 息が詰まるような胸の苦しさの名は、いくら悩めどもわかりそうになかった。 足取りはややおぼつかないが、それもいつものことで、あちらこちらを漂うように見て回る。 (ちあきはこどもたちに『むちゅう』ですし……?) 奏汰がこんなところを一人で出歩くのは珍しい。 少し前まではなにをするにも千秋と一緒だった。 奏汰の用事にも、千秋の用事にも、ふたりで赴いた。 だけど、今の千秋に声をかけることははばかられた。 否、声をかけられなかったのだ。 奏汰と共にふたりで過ごしてきたときよりもずっと美しくきらめいたあの瞳を思い出す。 千秋にとって、奏汰よりも子どもたちの方が大切なのだ、もう。 (なんで、ちあき) そう考えるとまぶたがなんだか痺れるような心地がして、奏汰はまばたきを繰り返した。 目元がかゆくて手の甲でこする。 紅月とfine、颯馬と渉。 こんなところで立ち止まっていては間に合わなくなる。 慌てたけれど、足取りを速くすることはできなかった。 「おつかれさまでした~。 とっても『すてき』でしたよ、そうま」 「部長殿からそのように言っていただけるとは、我、恐縮してしまうのである」 ステージを降りた颯馬をねぎらうと嬉しそうにはにかんだ。 いつかの彼の真似をして頭を撫でると笑みが深くなる。 少し話していると渉が視界に入り、そちらを向くと目が合った。 渉と話すからと颯馬との話を切り上げ、それではとあいさつをしたあと、視界から去るときの颯馬の顔つきに奏汰は呼吸を忘れた。 奏汰と相対していたときにはささやかだったものが喜色満面にと代わり笑みが咲く。 ほめたのは奏汰なのに、なぜ自分でなくあの二人にその顔を向けるのか。 それが不可解で、奏汰は首を傾げる。 「どうかしましたか、旧い友よ。 せっかく招待したというのにそんな浮かない顔をして」 「おや、わたる。 不思議に思っているから当然に表情は曇っているだろうが、指摘されるほどだったのだろうか。 自省して頬に触れる。 両手のひらで揉み込むと、表情の曇りはやはりわからなかったが、少しは表情を誤魔化せただろうか。 「わたるたちも『すてき』だったので、あんしんしてください。 ただ、ちょっと『き』になることがあっただけです」 「ほほう。 それならば旧い友よ、ここはひとつ、私のその『気になること』を教えてくれませんか? もしかしたら何か、答えにつながる言葉を持っているかもしれません」 想像もしなかった提案に奏汰は目を丸くする。 誰も答えてくれなかった奏汰の問いに、初めて答えてくれたのが千秋だった。 海神戦以降はずっとふたりでいたから彼に聞くばかりだったが、そういえば、五奇人の仲間たちと一緒にいたときには彼らに問うたこともあったのを思い出す。 たいていは言い回しが難しくて奏汰には理解しがたかったけれど、それでも、寄る辺のない現状を自覚してか否か、奏汰は口を開く。 「ねえわたる、『こうはい』ってどういうものですか?」 三年に進級する少し前に千秋が言っていた。 来年は、俺たちの仲間になってくれる後輩がいるといいな。 その言葉の通りに千秋は一年生を勧誘し、『仲間の後輩』ができた。 『仲間』ならば奏汰とて知っている。 自分と千秋のふたりのことだ。 同じユニットの『仲間』として過ごしてきた時間を思い出す。 あの三人の子どもたちも奏汰と同じように千秋の『仲間』になるのだろうけれど、奏汰に向けるよりもずっときらめく瞳になってしまうような『後輩』とは、どのような存在なのだろうか。 「それは一般論ですか? それとも、私にとってですか?」 「ちがうんですか?」 「それならば両方お教えしましょう。 一般的に後輩というのは、学校や職場、あるいは学問や技芸の道に後から入ってきた者のことを指します。 飛びぬけた才能がある者でなければ、後輩の方が未熟です」 それは奏汰にもわかった。 この学院に後から入ってきた、未熟な者。 歌もダンスもパフォーマンスも、何もかもが足りてない年下の子どもたち。 「そして、私にとって、ですが……ちょうど今回、このライブで初めてお披露目した子が私にとっての後輩にあたります」 「おおきいことちいさいこと、ふたりいましたね」 「ええ。 大きい子の方は優秀なので手がかからなくて放っておいたのですが、小さい子の方が大変でして。 なんとかライブに出られるようにするまで、かなりしごきました。 弱音を言うものですから、叱咤激励しつつ、なんとか歌だけはお客様に披露できるレベルになって安心しましたよ」 悪しざまに言うわりに、渉の表情も声音も優しげだ。 言葉と感情が一致しないさまに、奏汰はまた疑問を覚える。 「そういうわりに、わたるは『うれしそう』ですね……?」 「おやぁ、わかってしまいますか? あの姫君は未熟ではありますが、『英智のために』の一言で未熟なりに精一杯食らいつくのです。 百の失敗をものともせず、千の鍛錬を重ね、たった一度のライブのために必死に練習する。 なんとも健気でかわいらしいではありませんか」 「ふしぎですね? 『みじゅく』なのに『かわいい』んですか……?」 「どちらかというと、『未熟』だけど、『必死』だからこそ『かわいい』というべきでしょう。 『いとおしい』と言ってもいいでしょう。 愛は人の原動力となり、そしてまた、新たな愛を生む。 千秋はあの三人の一年生が、『未熟』だけど『必死』だからこそ『かわいい』のだろう。 そして奏汰は、あの大きい子のように放っておかれているのだ。 奏汰の方が優秀だから、手がかからないから。 けれども、未熟だからこそいとおしいというならば、未熟ではない奏汰はいとおしくないということなのだろうか。 いとおしい、は、わかる。 千秋が三年になってからたびたび言うようになった『愛している』と同じ意味の言葉だ。 好きよりもさらに好きなこと。 大きな感情を傾けること。 つまり千秋は、未熟な一年生三人のことは愛しているけれど、未熟でない奏汰のことは愛していないのだろう。 その結論に至った瞬間、じょうずに呼吸ができなくなった。 胸が苦しくて意識がうまく保てない。 その日の自分がいつの間に家に帰ったのか、奏汰の記憶には残らなかった。 [newpage] 3「イースターナイト」の裏側 先日渉から招待があったからだろうか、夏目からもライブへ招待された。 祝祭の名を冠したイベントだが、外国の風習ゆえに日本では馴染みがない。 かくいう奏汰も聞き慣れない呼称に首を傾げつつ、会場へと赴いた。 電車を乗り継いでくるのには苦戦したが、何度か乗ったことがあったから事なきを得た。 目的地までの切符を買って改札を抜け、電車に乗り、目的地に着いたら電車を降りて改札を抜ける。 交通系ICカードを使うと便利だとか、改札口を間違えないよう注意が必要だとか、電車を応用するための基礎から応用まで、すべて千秋が丁寧に教えてくれたことだ。 「……っ、……」 名前を言いかけたのに気づいて、口をつぐむ。 そんなことをしても会いたくなるだけだ。 今の千秋は一年生の相手に夢中だから、奏汰が呼んだところできてくれたりなどしないに違いない。 大好きな千秋のことのはずなのに、考えれば考えるほどに苦しくなる。 それが嫌で、奏汰は千秋のことを思い出すのをやめた。 幻想的な光の織り成す舞台に誰もが魅了された。 それは奏汰とて例外ではなく、ライブが終わると思わず熱い息を吐いた。 夏目たちのSwitchの持ち味を存分に活かした素晴らしい舞台だった。 惜しむらくはみかが舞台にいるのに宗がいないことであろう。 夏目は五奇人の兄さんたちのなかでも宗には特に懐いているし、あの二人はユニットの相性も悪くない。 次はぜひ共に舞台をつくりあげてほしいものだ。 「なっちゃん、おつかれさまでした~」 ライブ後、奏汰は楽屋を訪れた。 開演前には時間がつくれず、こんなタイミングになってしまった。 「やア、奏汰にいさン。 観にきてくれてありがとウ」 「こちらこそ『おさそい』ありがとうございます。 すてきならいぶでしたね~」 「フフ、にいさんにほめられるのハ、やっぱり嬉しいものだネ」 「あれっ、夏目くん、俺のこと呼びましたか~?」 「黙れ」 どこから聞き付けたのか、顔を覗かせたつむぎを一撃と共に即座に一蹴する。 一瞬の出来事に奏汰は目を丸くした。 「いまのは……?」 「奏汰にいさんはああいう雑音を気にしなくていいかラ」 「はあ……?」 とはいえ、そう言われると逆に気になるものだ。 夏目に気づかれぬよう視線を送ると、つむぎの代わりに宙と目が合った。 「ししょ~とセンパイは仲良しなので、安心してください!」 「ちょっ、ソラ!」 すると宙は満面の笑みで奏汰にそう言った。 つまり、つむぎを殴り悪態を吐いた夏目が彼と仲良しだということだろう。 それは奏汰の知識で理解可能な範疇を越えている。 だが、あれが仲良しだと言うのならば、千秋と一年生たちもとても仲良しだ。 構ってもらえないだろうと思いつつ、奏汰は最近も時々千秋と一年生の練習に顔を出す。 とはいえ、参加はせずに眺めているだけだ。 そのやりとりなかで一年生のうちの二人は、時折千秋からのコミュニケーションを鬱陶しげにはねのけるのだ。 奏汰が欲してやまない、拒むことなどありえないそれを、一蹴する。 そうやって拒絶されていればそのうちに千秋も彼らにかまけるのをやめて奏汰の相手をしてくれやしないだろうか。 そんなよこしまな思いが打ち砕かれたような気がした。 「……なっちゃんと『あおいとりさん』って、どういう『かんけい』でしたっけ?」 「なニ、奏汰にいさんってばいきなリ……。 どういうもなにモ、同じユニットの先輩と後輩デ、ユニットのメンバーとリーダー。 ただそれだけだヨ」 それはつまり、ああいったやりとりは『仲良しの先輩と後輩』の間ではよくあることなのだろう。 少なくとも奏汰は、そう受け取った。 一見して鬱陶しがられているようでも一年生たちから見たら仲良しの先輩で、千秋が一方的に夢中になっているわけではない。 そうしたら、奏汰にはもう勝ち目はないではないか。 千秋と背を合わせ、歌声を重ねて響かせたい。 ほんの数か月前までは願わずとも叶っていたことが遠い。 今年はその先、共に舞台に立つことを夢見ていたはずなのに、ささやかな夢は遥か彼方の幻のように思えた。 [newpage] 4「海洋の城」の裏側 千秋と以前のように過ごせない現実から目を逸らして生活をする日々にも慣れてきてしまった。 そも、これが本来の生活なのだ。 奏汰は思い出す。 学院じゅうから厭われて生徒会から討伐された末に千秋と行動を共にすることが多くなったが、その前はこのようなものだった。 ただ、八百比丘尼の信者たちが消え、その代わりに千秋を含む流星隊が現れただけのことだ。 前ほどたくさん時間を取ってはくれなくなったが、相変わらず千秋は優しく易しく奏汰に接してくれる。 朝は必ず顔を見に来てくれるし、いかに奏汰の態度が悪かろうとも、行かないと言うことが多くとも、練習に誘うことをやめはしない。 さすがの奏汰も断り続けるのははばかられ、呼吸がしづらくて苦しいのを圧して練習に参加することがまれにあった。 たまの機会にぼんやり眺めてみて気づいたのは、自分の方を向いてくれずとも千秋が魅力的だということだった。 一年生たちに身振り手振りでダンスを教える顔は喜色に満ちてきらめく。 それを眺めていると、さみしいのに心のなかは明るい、奇妙な心地がした。 千秋だけでない、一年生たちもきらめいて見える。 輝いているさまがまぶしくて、すてきだと感じるのに、そこには自分の居場所が見えない。 千秋と一年生とだけで完成されたかたち。 光がまぶしすぎて、それをもっと見つめていたいと思うのに見続けていると、明るくなった心のなかでさみしさが浮き彫りになる。 前のように抱き締めてさみしさを消してほしいのに、きらめく千秋の光を消したくなくて、奏汰にできるのは距離を取ることだけだった。 手の届くところにいるからほしいのだ、届かないところにいれば輝きを損ねずにいれると、そう思って。 「奏汰に頼みがある」 ある朝、千秋は神妙な顔で奏汰に告げた。 心の渇きを潤すためにといつものように噴水に浮かんでいた奏汰は、首を傾げる。 彼がこんな顔を自分に向けたのは、いつ以来だろうか。 「おはようございます~。 どうしたんですか、いきなり」 「あ、ああ、おはよう。 それで、『たのみ』ってなんですか?」 茶化して和らいだ表情がすぐさま硬くなる。 立ったまま奏汰を見下ろす千秋へ噴水のふちを叩いて促してやると、ゆっくりと座った。 そのすぐ真横に手をつき顔を乗せると、うつむき加減の顔と視線が絡む。 「……DDDに、参加したいんだ」 「なんですか、それ」 「SSへの出場権をかけたB1のドリフェスだ。 先日、天祥院が開催を宣言した。 参加申込みの期限は……今日までだ」 SSへ出場するのはfineだろうとか、どうして開催されることになったのだとか、些細なことはどうでも良かった。 「したいなら『さんか』すればいいんじゃないですか? でも、いちねんせいたちはまだ『みじゅく』ですし、さんかしたところで『かてる』んですか?」 なのになぜ、とは、聞くより前に察しがついた。 勝つこと以上の何らかの目的がきっと、千秋にはあるのだ。 だから一見して無意味なことをしようとしている。 「勝ち進むことが目的じゃない。 ただ……助けたい子が、後輩がいるんだ」 奏汰から逸らされていた視線が、こちらを向いた。 力強い輝きをたたえた瞳には覚えがある。 いつかの過去に自分の手を引いたときの光。 奏汰のヒーローは、奏汰ではない、ほかの誰かを守るために立ち上がろうとしていた。 「勝ち進むどころか緒戦で敗れてしまう可能性も高い。 せっかく五人揃った流星隊がきちんとお披露目をする前に泥をかぶることになるだろう。 だけど、それでも俺は……」 「……それでもそのこを『たすけたい』んでしょう、ヒーロー」 奏汰が聞けば千秋はうなずく。 瞳の奥底で炎が揺らめいた。 先ほどまでの迷いは、いつの間にか彼方へと消え去ったようだ。 その姿が痛ましくて、悲しくて、けれどもそんな千秋にすくわれた奏汰には、それを否定することなどできなかった。 「ぼくへの『たのみ』っていうのは、それですか? でも、さんかするかどうかはちあきが『きめる』ことだから、ぼくへの『たのみ』ではないですよね?」 「いや、ええと……。 ……勝てるとは思えない状況で、泥をかぶることになるのもわかっている。 だけど、それでも……俺と一緒に、DDDに参加してくれないか」 きっと以前の奏汰なら、これが『神さまへの願い』と、どう違うのかわからなかっただろう。 だけど今ならわかる。 「ぼくも、『ヒーロー』になれるでしょうか」 これは神さまへの願いではない、ヒーローを呼ぶ声だ。 「もっ、もちろんだ! いいや、奏汰はもう、ヒーローだろう」 「そうなんですか?」 「昨年まで俺と一緒に色々と活動しただろう? お前にはもう、正義の心は備わっている。 あとはそれを解き放つだけだ!」 「そういうものですか……?」 「そういうものだ!」 張りつめていた空気が和らぐ。 気が抜けたのか、千秋の目じりがきらめいたのを見つける。 奏汰は噴水から出てそのふちに座ると、驚く千秋の頬をつかまえて、いつかのようにそこに舌を伸ばした。 「……あんまりしょっぱくないですね?」 「なっ、ばっ、おまっ……!? 」 うろたえる顔に胸があたたかさで満たされる心地がする。 波立てながら噴水の中で立ち上がると、水を滴らせながら、奏汰は応えた。 「いいですよ、ちあき。 あいてがだれであろうと、ぜんりょくをつくしましょう」 奏汰の声なき声を拾い上げた千秋の、『助けてヒーロー』という声が聞こえたから。

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全部は無茶が過ぎるので…。 以降はついったーで進行しますのでよろしくどうぞ~。 メンテ前に書き起こした限りではスト数は暫定198、余力があって追憶まで書ければ204。 各スト裏につき一本で3000字以下が目標。 圧倒的時間不足。 なお、人間の情緒は5歳までに大人並のものが揃うが、大人は複数の情緒が組み合わさった形の感情になることが多かったりします。 詳細は最下部へ。 または自分で書いてください。 現在フォロワー限定で公開中。 フォローは公式系だけですが常識の範囲内でしたらリプも対応しますしおしゃべり大好きなんで声かけてくださるのは嬉しいです。 ツイフィ必読。 こう言うと大したことなさそうだけど、子どもにとっては一大事。 そして、まぎれもなく深海奏汰の情緒は、幼児のそれなのだとやはりわたしは思うのです。 奏汰も隣に座り、ぴたりと寄り添う。 すると千秋は奏汰を見て、しかし頬笑むばかりでまたすぐに一年生の方を向いてしまった。 少し前までならば、こうして寄り添えば必ずと言っていいほどに頭を撫でてくれたのに。 不満もあらわな顔で見つめるものの、千秋は意にも介さずプレイヤーを操作して音楽を流す。 また前方を向いたのに渋々と奏汰も同じ方を向いた。 曲に合わせて三人の一年生は歌い、踊る。 歌声も、ダンスも、パフォーマンスも、特筆するところは何もない。 奏汰の方がもっと完成度の高いうつくしい歌と躍りを魅せられるのに、なぜ千秋は自分を半ば無視してにこんな子どもたちに構うのだろうか。 そう思って千秋を横目に見て、奏汰は絶句した。 「ッ……よし、ああ、……うん、うん……っ!」 肺活量の足りていないかすれきった声なのに、おぼつかないステップなのに、たった二人の先輩の視線ですら目を逸らすのに。 なのに三人の後輩たちを見つめる千秋の瞳は、見たこともないくらいにまばゆくきらめいていた。 喩えるならそれは沈みゆく暁のなかで星がきらめく夕空。 奏汰が焦がれてやまない色をした瞳が星のきらめきに輝いていた。 あまりのまぶしさに目が焼かれたような心地を覚える。 すぐさま視線をそらし、まばたきを繰り返した。 なぜ千秋の瞳はあのような輝きをたたえていたのだろうか。 「……っよし、お疲れさま、三人とも! まずはひと休みしてくれっ」 たったの一曲で疲れた様子の一年生に声をかけながら立ち上がった千秋は、先に用意しておいたのだろう、かばんの中から水のペットボトルを三本取り出した。 一瞥もされることなく置き去りにされた奏汰は、その事実がうまく理解できなかった。 (ぼくのほうが『うまく』できるのに、ちあきにはこのさんにんのこどものほうが『すてき』にみえている……?) 今までだって、奏汰に歌って踊っめ見せたことがあるし、共に並んだことだってある。 なのに今、千秋の瞳がもつ輝きは今までに見たこともないほどに美しく魅力的だった。 それは奏汰にとって初めての経験だった。 自分に尽くしてくれた人が、自分のために他人へ目を向けるのではなく、その人自身のために他人へ目を向けるのだ。 その上、今までで一番にきらめく瞳と表情を向けている。 あの顔は奏汰も知っている。 嬉しいときの顔だ。 音程が、リズムが、手足の伸びがと話は続く。 斜め後ろから覗く千秋の顔は相変わらず輝いている。 照れる一年生と話す姿を奏汰は呆然と見つめるしかなかった。 息が止まって呼吸が苦しくなったのに気づき、胸を押さえる。 手に感じる鼓動は重く強く高らかに奏汰の胸を締め付ける。 息が詰まるような胸の苦しさの名は、いくら悩めどもわかりそうになかった。 足取りはややおぼつかないが、それもいつものことで、あちらこちらを漂うように見て回る。 (ちあきはこどもたちに『むちゅう』ですし……?) 奏汰がこんなところを一人で出歩くのは珍しい。 少し前まではなにをするにも千秋と一緒だった。 奏汰の用事にも、千秋の用事にも、ふたりで赴いた。 だけど、今の千秋に声をかけることははばかられた。 否、声をかけられなかったのだ。 奏汰と共にふたりで過ごしてきたときよりもずっと美しくきらめいたあの瞳を思い出す。 千秋にとって、奏汰よりも子どもたちの方が大切なのだ、もう。 (なんで、ちあき) そう考えるとまぶたがなんだか痺れるような心地がして、奏汰はまばたきを繰り返した。 目元がかゆくて手の甲でこする。 紅月とfine、颯馬と渉。 こんなところで立ち止まっていては間に合わなくなる。 慌てたけれど、足取りを速くすることはできなかった。 「おつかれさまでした~。 とっても『すてき』でしたよ、そうま」 「部長殿からそのように言っていただけるとは、我、恐縮してしまうのである」 ステージを降りた颯馬をねぎらうと嬉しそうにはにかんだ。 いつかの彼の真似をして頭を撫でると笑みが深くなる。 少し話していると渉が視界に入り、そちらを向くと目が合った。 渉と話すからと颯馬との話を切り上げ、それではとあいさつをしたあと、視界から去るときの颯馬の顔つきに奏汰は呼吸を忘れた。 奏汰と相対していたときにはささやかだったものが喜色満面にと代わり笑みが咲く。 ほめたのは奏汰なのに、なぜ自分でなくあの二人にその顔を向けるのか。 それが不可解で、奏汰は首を傾げる。 「どうかしましたか、旧い友よ。 せっかく招待したというのにそんな浮かない顔をして」 「おや、わたる。 不思議に思っているから当然に表情は曇っているだろうが、指摘されるほどだったのだろうか。 自省して頬に触れる。 両手のひらで揉み込むと、表情の曇りはやはりわからなかったが、少しは表情を誤魔化せただろうか。 「わたるたちも『すてき』だったので、あんしんしてください。 ただ、ちょっと『き』になることがあっただけです」 「ほほう。 それならば旧い友よ、ここはひとつ、私のその『気になること』を教えてくれませんか? もしかしたら何か、答えにつながる言葉を持っているかもしれません」 想像もしなかった提案に奏汰は目を丸くする。 誰も答えてくれなかった奏汰の問いに、初めて答えてくれたのが千秋だった。 海神戦以降はずっとふたりでいたから彼に聞くばかりだったが、そういえば、五奇人の仲間たちと一緒にいたときには彼らに問うたこともあったのを思い出す。 たいていは言い回しが難しくて奏汰には理解しがたかったけれど、それでも、寄る辺のない現状を自覚してか否か、奏汰は口を開く。 「ねえわたる、『こうはい』ってどういうものですか?」 三年に進級する少し前に千秋が言っていた。 来年は、俺たちの仲間になってくれる後輩がいるといいな。 その言葉の通りに千秋は一年生を勧誘し、『仲間の後輩』ができた。 『仲間』ならば奏汰とて知っている。 自分と千秋のふたりのことだ。 同じユニットの『仲間』として過ごしてきた時間を思い出す。 あの三人の子どもたちも奏汰と同じように千秋の『仲間』になるのだろうけれど、奏汰に向けるよりもずっときらめく瞳になってしまうような『後輩』とは、どのような存在なのだろうか。 「それは一般論ですか? それとも、私にとってですか?」 「ちがうんですか?」 「それならば両方お教えしましょう。 一般的に後輩というのは、学校や職場、あるいは学問や技芸の道に後から入ってきた者のことを指します。 飛びぬけた才能がある者でなければ、後輩の方が未熟です」 それは奏汰にもわかった。 この学院に後から入ってきた、未熟な者。 歌もダンスもパフォーマンスも、何もかもが足りてない年下の子どもたち。 「そして、私にとって、ですが……ちょうど今回、このライブで初めてお披露目した子が私にとっての後輩にあたります」 「おおきいことちいさいこと、ふたりいましたね」 「ええ。 大きい子の方は優秀なので手がかからなくて放っておいたのですが、小さい子の方が大変でして。 なんとかライブに出られるようにするまで、かなりしごきました。 弱音を言うものですから、叱咤激励しつつ、なんとか歌だけはお客様に披露できるレベルになって安心しましたよ」 悪しざまに言うわりに、渉の表情も声音も優しげだ。 言葉と感情が一致しないさまに、奏汰はまた疑問を覚える。 「そういうわりに、わたるは『うれしそう』ですね……?」 「おやぁ、わかってしまいますか? あの姫君は未熟ではありますが、『英智のために』の一言で未熟なりに精一杯食らいつくのです。 百の失敗をものともせず、千の鍛錬を重ね、たった一度のライブのために必死に練習する。 なんとも健気でかわいらしいではありませんか」 「ふしぎですね? 『みじゅく』なのに『かわいい』んですか……?」 「どちらかというと、『未熟』だけど、『必死』だからこそ『かわいい』というべきでしょう。 『いとおしい』と言ってもいいでしょう。 愛は人の原動力となり、そしてまた、新たな愛を生む。 千秋はあの三人の一年生が、『未熟』だけど『必死』だからこそ『かわいい』のだろう。 そして奏汰は、あの大きい子のように放っておかれているのだ。 奏汰の方が優秀だから、手がかからないから。 けれども、未熟だからこそいとおしいというならば、未熟ではない奏汰はいとおしくないということなのだろうか。 いとおしい、は、わかる。 千秋が三年になってからたびたび言うようになった『愛している』と同じ意味の言葉だ。 好きよりもさらに好きなこと。 大きな感情を傾けること。 つまり千秋は、未熟な一年生三人のことは愛しているけれど、未熟でない奏汰のことは愛していないのだろう。 その結論に至った瞬間、じょうずに呼吸ができなくなった。 胸が苦しくて意識がうまく保てない。 その日の自分がいつの間に家に帰ったのか、奏汰の記憶には残らなかった。 [newpage] 3「イースターナイト」の裏側 先日渉から招待があったからだろうか、夏目からもライブへ招待された。 祝祭の名を冠したイベントだが、外国の風習ゆえに日本では馴染みがない。 かくいう奏汰も聞き慣れない呼称に首を傾げつつ、会場へと赴いた。 電車を乗り継いでくるのには苦戦したが、何度か乗ったことがあったから事なきを得た。 目的地までの切符を買って改札を抜け、電車に乗り、目的地に着いたら電車を降りて改札を抜ける。 交通系ICカードを使うと便利だとか、改札口を間違えないよう注意が必要だとか、電車を応用するための基礎から応用まで、すべて千秋が丁寧に教えてくれたことだ。 「……っ、……」 名前を言いかけたのに気づいて、口をつぐむ。 そんなことをしても会いたくなるだけだ。 今の千秋は一年生の相手に夢中だから、奏汰が呼んだところできてくれたりなどしないに違いない。 大好きな千秋のことのはずなのに、考えれば考えるほどに苦しくなる。 それが嫌で、奏汰は千秋のことを思い出すのをやめた。 幻想的な光の織り成す舞台に誰もが魅了された。 それは奏汰とて例外ではなく、ライブが終わると思わず熱い息を吐いた。 夏目たちのSwitchの持ち味を存分に活かした素晴らしい舞台だった。 惜しむらくはみかが舞台にいるのに宗がいないことであろう。 夏目は五奇人の兄さんたちのなかでも宗には特に懐いているし、あの二人はユニットの相性も悪くない。 次はぜひ共に舞台をつくりあげてほしいものだ。 「なっちゃん、おつかれさまでした~」 ライブ後、奏汰は楽屋を訪れた。 開演前には時間がつくれず、こんなタイミングになってしまった。 「やア、奏汰にいさン。 観にきてくれてありがとウ」 「こちらこそ『おさそい』ありがとうございます。 すてきならいぶでしたね~」 「フフ、にいさんにほめられるのハ、やっぱり嬉しいものだネ」 「あれっ、夏目くん、俺のこと呼びましたか~?」 「黙れ」 どこから聞き付けたのか、顔を覗かせたつむぎを一撃と共に即座に一蹴する。 一瞬の出来事に奏汰は目を丸くした。 「いまのは……?」 「奏汰にいさんはああいう雑音を気にしなくていいかラ」 「はあ……?」 とはいえ、そう言われると逆に気になるものだ。 夏目に気づかれぬよう視線を送ると、つむぎの代わりに宙と目が合った。 「ししょ~とセンパイは仲良しなので、安心してください!」 「ちょっ、ソラ!」 すると宙は満面の笑みで奏汰にそう言った。 つまり、つむぎを殴り悪態を吐いた夏目が彼と仲良しだということだろう。 それは奏汰の知識で理解可能な範疇を越えている。 だが、あれが仲良しだと言うのならば、千秋と一年生たちもとても仲良しだ。 構ってもらえないだろうと思いつつ、奏汰は最近も時々千秋と一年生の練習に顔を出す。 とはいえ、参加はせずに眺めているだけだ。 そのやりとりなかで一年生のうちの二人は、時折千秋からのコミュニケーションを鬱陶しげにはねのけるのだ。 奏汰が欲してやまない、拒むことなどありえないそれを、一蹴する。 そうやって拒絶されていればそのうちに千秋も彼らにかまけるのをやめて奏汰の相手をしてくれやしないだろうか。 そんなよこしまな思いが打ち砕かれたような気がした。 「……なっちゃんと『あおいとりさん』って、どういう『かんけい』でしたっけ?」 「なニ、奏汰にいさんってばいきなリ……。 どういうもなにモ、同じユニットの先輩と後輩デ、ユニットのメンバーとリーダー。 ただそれだけだヨ」 それはつまり、ああいったやりとりは『仲良しの先輩と後輩』の間ではよくあることなのだろう。 少なくとも奏汰は、そう受け取った。 一見して鬱陶しがられているようでも一年生たちから見たら仲良しの先輩で、千秋が一方的に夢中になっているわけではない。 そうしたら、奏汰にはもう勝ち目はないではないか。 千秋と背を合わせ、歌声を重ねて響かせたい。 ほんの数か月前までは願わずとも叶っていたことが遠い。 今年はその先、共に舞台に立つことを夢見ていたはずなのに、ささやかな夢は遥か彼方の幻のように思えた。 [newpage] 4「海洋の城」の裏側 千秋と以前のように過ごせない現実から目を逸らして生活をする日々にも慣れてきてしまった。 そも、これが本来の生活なのだ。 奏汰は思い出す。 学院じゅうから厭われて生徒会から討伐された末に千秋と行動を共にすることが多くなったが、その前はこのようなものだった。 ただ、八百比丘尼の信者たちが消え、その代わりに千秋を含む流星隊が現れただけのことだ。 前ほどたくさん時間を取ってはくれなくなったが、相変わらず千秋は優しく易しく奏汰に接してくれる。 朝は必ず顔を見に来てくれるし、いかに奏汰の態度が悪かろうとも、行かないと言うことが多くとも、練習に誘うことをやめはしない。 さすがの奏汰も断り続けるのははばかられ、呼吸がしづらくて苦しいのを圧して練習に参加することがまれにあった。 たまの機会にぼんやり眺めてみて気づいたのは、自分の方を向いてくれずとも千秋が魅力的だということだった。 一年生たちに身振り手振りでダンスを教える顔は喜色に満ちてきらめく。 それを眺めていると、さみしいのに心のなかは明るい、奇妙な心地がした。 千秋だけでない、一年生たちもきらめいて見える。 輝いているさまがまぶしくて、すてきだと感じるのに、そこには自分の居場所が見えない。 千秋と一年生とだけで完成されたかたち。 光がまぶしすぎて、それをもっと見つめていたいと思うのに見続けていると、明るくなった心のなかでさみしさが浮き彫りになる。 前のように抱き締めてさみしさを消してほしいのに、きらめく千秋の光を消したくなくて、奏汰にできるのは距離を取ることだけだった。 手の届くところにいるからほしいのだ、届かないところにいれば輝きを損ねずにいれると、そう思って。 「奏汰に頼みがある」 ある朝、千秋は神妙な顔で奏汰に告げた。 心の渇きを潤すためにといつものように噴水に浮かんでいた奏汰は、首を傾げる。 彼がこんな顔を自分に向けたのは、いつ以来だろうか。 「おはようございます~。 どうしたんですか、いきなり」 「あ、ああ、おはよう。 それで、『たのみ』ってなんですか?」 茶化して和らいだ表情がすぐさま硬くなる。 立ったまま奏汰を見下ろす千秋へ噴水のふちを叩いて促してやると、ゆっくりと座った。 そのすぐ真横に手をつき顔を乗せると、うつむき加減の顔と視線が絡む。 「……DDDに、参加したいんだ」 「なんですか、それ」 「SSへの出場権をかけたB1のドリフェスだ。 先日、天祥院が開催を宣言した。 参加申込みの期限は……今日までだ」 SSへ出場するのはfineだろうとか、どうして開催されることになったのだとか、些細なことはどうでも良かった。 「したいなら『さんか』すればいいんじゃないですか? でも、いちねんせいたちはまだ『みじゅく』ですし、さんかしたところで『かてる』んですか?」 なのになぜ、とは、聞くより前に察しがついた。 勝つこと以上の何らかの目的がきっと、千秋にはあるのだ。 だから一見して無意味なことをしようとしている。 「勝ち進むことが目的じゃない。 ただ……助けたい子が、後輩がいるんだ」 奏汰から逸らされていた視線が、こちらを向いた。 力強い輝きをたたえた瞳には覚えがある。 いつかの過去に自分の手を引いたときの光。 奏汰のヒーローは、奏汰ではない、ほかの誰かを守るために立ち上がろうとしていた。 「勝ち進むどころか緒戦で敗れてしまう可能性も高い。 せっかく五人揃った流星隊がきちんとお披露目をする前に泥をかぶることになるだろう。 だけど、それでも俺は……」 「……それでもそのこを『たすけたい』んでしょう、ヒーロー」 奏汰が聞けば千秋はうなずく。 瞳の奥底で炎が揺らめいた。 先ほどまでの迷いは、いつの間にか彼方へと消え去ったようだ。 その姿が痛ましくて、悲しくて、けれどもそんな千秋にすくわれた奏汰には、それを否定することなどできなかった。 「ぼくへの『たのみ』っていうのは、それですか? でも、さんかするかどうかはちあきが『きめる』ことだから、ぼくへの『たのみ』ではないですよね?」 「いや、ええと……。 ……勝てるとは思えない状況で、泥をかぶることになるのもわかっている。 だけど、それでも……俺と一緒に、DDDに参加してくれないか」 きっと以前の奏汰なら、これが『神さまへの願い』と、どう違うのかわからなかっただろう。 だけど今ならわかる。 「ぼくも、『ヒーロー』になれるでしょうか」 これは神さまへの願いではない、ヒーローを呼ぶ声だ。 「もっ、もちろんだ! いいや、奏汰はもう、ヒーローだろう」 「そうなんですか?」 「昨年まで俺と一緒に色々と活動しただろう? お前にはもう、正義の心は備わっている。 あとはそれを解き放つだけだ!」 「そういうものですか……?」 「そういうものだ!」 張りつめていた空気が和らぐ。 気が抜けたのか、千秋の目じりがきらめいたのを見つける。 奏汰は噴水から出てそのふちに座ると、驚く千秋の頬をつかまえて、いつかのようにそこに舌を伸ばした。 「……あんまりしょっぱくないですね?」 「なっ、ばっ、おまっ……!? 」 うろたえる顔に胸があたたかさで満たされる心地がする。 波立てながら噴水の中で立ち上がると、水を滴らせながら、奏汰は応えた。 「いいですよ、ちあき。 あいてがだれであろうと、ぜんりょくをつくしましょう」 奏汰の声なき声を拾い上げた千秋の、『助けてヒーロー』という声が聞こえたから。

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Everyday、カチューシャ

あんさん ぶる エブリデイ

「 Everyday、カチューシャ」 の 初出アルバム『』 これからWonderland ヤンキーソウル 人の力 アンチ リリース 規格 時間 5分12秒 () (作詞) (作曲) 秋元康• ミリオン (CD、)• ダブル・プラチナ ( 日本レコード協会)• ダブル・プラチナ ( 日本レコード協会)• プラチナ (PC配信 日本レコード協会)• ミリオン (シングルトラック、日本レコード協会) チャート最高順位• 週間1位 ()• 2011年5月度月間1位 (オリコン)• 2011年度上半期1位 (オリコン)• 2011年度年間2位 (オリコン)• 歴代シングルチャート71位 (オリコン)• 1位 ()• 1位 (Billboard JAPAN Hot Singles Sales)• 2位 (Billboard JAPAN Hot Top Airplay)• 1位 (Billboard JAPAN Adult Contemporary Airplay)• 2011年度年間1位 ()• 1位 ()• 2011年度年間4位(着うたフル、日本レコード協会) シングル 年表 (2011年) 【配信限定】 (2011年) Everyday、 カチューシャ (2011年) (2011年) 目次• 背景とリリース [ ] 楽曲のシングル盤は「Type-A」の初回限定盤と通常盤、「Type-B」の初回限定盤と通常盤、サイト「キャラアニ」を通して発売された劇場盤の5種類がリリースされている。 劇場盤はCDのみの形態であり、それ以外の4種類はDVDが付属している。 Type-AおよびBそれぞれにおける「初回限定盤」と「通常盤」は収録トラックが同一であり、封入特典が異なる。 4種類の共通特典として、本楽曲の次にリリースされるシングル曲の歌唱メンバーをファンによる投票で決めるイベント「」の投票券が期間限定で封入されている。 これに加え「初回限定盤」の2種類には「全国握手会イベント powered by ネ申テレビ」の参加券が封入されている。 劇場盤には「劇場盤発売記念大握手会」の参加券および「メンバー個別総選挙ポスター風生写真」1枚が封入されている。 なお、2011年3月11日に発生したを受けて立ち上げられた「」の一環として、CDの売り上げの一部が被災者支援に使われている。 初選抜は、、。 山本と渡辺はメンバーとして初めての選抜となる。 、は「」以来2作ぶり、は「」以来4作ぶり、は「」以来8作ぶり、は「」以来9作ぶり、は「」以来12作ぶり、は「」以来17作ぶりの選抜入りとなった。 また、菊地あやかは活動再開後初の選抜入りとなる。 は「女の子たちが集まると、とっておきの夏が来る」。 楽曲のの監督はが担当した。 全篇で撮影され、過去のAKB48のシングル曲のミュージック・ビデオをしている。 グアムでの撮影中に()が発生、渡航していたメンバーは慌てて日本の家族に連絡を取っていたという。 「Everyday、カチューシャ」は、2011年4月16日の京セラドーム大阪で行われた全国握手会イベント中に初披露された。 また、『』(系)では、2011年5月27日、6月10日、12月23日(『ミュージックステーションスーパーライブ2011』)、2013年6月7日、12月27日(『ミュージックステーションスーパーライブ2013』)、2015年9月23日(『ウルトラFES』)の6回披露されている。 AKB48の姉妹グループであるの3rdシングル「」Type Bにはこの曲のSDN48バージョンが収録されている。 チャート成績 [ ] 「Everyday、カチューシャ」のシングルCDの初回出荷枚数は145万枚で、自身のシングルの初回出荷枚数の最高記録を更新した。 キングレコードによるとその後、2011年5月27日に出荷枚数は165万枚を超えた。 発売前日の2011年5月24日付デイリーシングルチャートで推定売上枚数約94万2000枚を記録。 前作「」の記録 を抜き、デイリーシングルチャートでの推定売上枚数公開以降の最高枚数を更新した。 また、この1日で「桜の木になろう」の週間チャートでの初動売上(約94万2000枚)とほぼ同枚数を売り上げた。 発売当日(集計2日目)の2011年5月25日付同チャートでは約14万2000枚を記録した。 2日の集計で推定売上枚数の合計が約108万5000枚となり、ミリオンセラーを達成した。 発売初週でのミリオンセラー達成は「」(1999年11月発売)以来約11年6か月ぶり、史上4作目の記録。 同時に「Addicted To You」の初動売上(約106万8000枚)を抜き、女性アーティストによるシングル最高初動売上記録の更新も達成している。 この段階において、全アーティストを含めた歴代初動売上ランキングで2位に位置付け、自身最高のシングル売り上げ記録を更新した。 2011年6月6日付オリコン週間シングルチャートで初登場1位を記録した。 チャート1位は「」から8作連続となり、これは女性グループとしては 以来約32年8か月ぶりの記録。 最終的な初動売上は約133万4000枚となり、1996年2月に「」が記録したシングル初動売上記録(約120万8000枚)を約15年4か月ぶりに更新した。 なお、デイリーチャートの段階では2011年5月28日付(集計5日目)で推定売上枚数が合計125万4000枚に達し、この時点で「名もなき詩」の初動売上を上回っていた。 また、ミリオンセラー達成は前作「桜の木になろう」に続き史上245作目、AKB48の作品としては通算3作目となった。 2011年度のオリコン上半期ランキングでは1位を記録。 また、「桜の木になろう」が2位となり、AKB48の作品が1位・2位を独占した。 同一アーティストによる上半期ランキングの1位・2位独占は、(1978年)、(1988年)、(2009年・2010年)に続く史上4組目となった。 2012年4月23日付けのオリコンチャートで累計売上160万4000枚を突破し、「」を抜いてオリコン歴代シングルチャート66位を記録した。 21世紀に発売されたシングルCDとしてはの「」、自身のシングル「」、同じく「」、の「」、自身のシングル「」に次ぐ5番目の売り上げを記録している。 メディアでの使用 [ ] 楽曲は以下のメディアで使用された。 配給映画『』主題歌• 『』主題歌• 入場行進曲 このほか、系ドラマ『』の劇中で使用されている(監督はMV演出を担当した)。 また、2017年の監督による日本映画『』において、1991年にタイムスリップした主人公が若き日の大学生である母親たちと結成した学園祭アイドルグループ「ASG16」が本曲を劇中で歌唱している。 シングル収録トラック [ ] Type-A [ ] 初回限定盤と通常盤の2種類が存在するが、収録トラックは同一。 CD タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Everyday、カチューシャ」 井上ヨシマサ 5:12 2. 「これからWonderland」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:24 3. 「Everyday、カチューシャ 」 5. 「これからWonderland off vocal ver. 」 6. 「ヤンキーソウル off vocal ver. 」 DVD タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「Everyday、カチューシャ」 2. 「これからWonderland」 3. 「ヤンキーソウル」 4. 「Everyday、カチューシャ Music Clip〈Drama ver. 〉」 5. 「AKB48ちょの続・ショートコンちょ3連発! (Type-A)」 Type-B [ ] 初回限定盤と通常盤の2種類が存在するが、収録トラックは同一。 CD タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Everyday、カチューシャ」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 2. 「これからWonderland」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 3. 「人の力」 アンダーガールズ 秋元康 関淳二郎 関淳二郎 4:28 4. 「Everyday、カチューシャ off vocal ver. 」 5. 「これからWonderland off vocal ver. 」 6. 「人の力 off vocal ver. 」 DVD タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「Everyday、カチューシャ」 本広克行 2. 「これからWonderland」 中村太洸 3. 「人の力」 4. 「Everyday、カチューシャ Music Clip〈Dance ver. 〉」 5. 「AKB48ちょの続・ショートコンちょ3連発! (Type-B)」 劇場盤 [ ] CD タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Everyday、カチューシャ」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 2. 「これからWonderland」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 3. 「アンチ」 チーム研究生 秋元康 ツキダタダシ 4:11 4. 「Everyday、カチューシャ off vocal ver. 」 5. 「これからWonderland off vocal ver. 」 6. 「アンチ off vocal ver. 本作はJKT48の改革を目的としたプロジェクト「JKT48 RE:BOOST」の一環として企画されたものである。 歌詞は全編にわたってに翻訳したもの。 楽曲のセンターポジションはアディスティ・ザラが務める。 カップリングでは他に、「」(AKB48)、「」(SKE48)、「」(AKB48)のカバーが収録されている。 シングル収録トラック JKT48 [ ] MUSIC DOWNLOAD CARD [ ] MUSIC DOWNLOAD CARD 全作曲・編曲:。 タイトル 作詞 作曲・編曲 1. 「Everyday, Kachuusha」 2. 「」 Regular Edition [ ] CD タイトル 作詞 作曲 編曲 1. 「Everyday, Kachuusha」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 2. 「UZA」 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 3. 「」 板垣祐介 4. 「」 上田晃司 5. 「」 DVD タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「Everyday, Kachuusha Music Video 」 2. 「UZA Music Video 」 3. 「MV Behind the Scene」 配信 [ ]• 産経ニュース. 産経デジタル 2014年4月3日. 2018年2月21日閲覧。 オリコン 2011年4月16日. 2012年11月14日閲覧。 HOT EXPRESS. 2011年5月24日. 2011年5月25日閲覧。 オリコン 2011年5月31日. 2011年5月31日閲覧。 オリコン 2011年5月26日. 2011年5月26日閲覧。 オリコン 2011年5月27日. 2011年5月27日閲覧。 2016年3月4日時点のよりアーカイブ。 2016年9月11日閲覧。 インドネシア語. KAORI Nusantara. 2018年7月9日. 2018年7月9日閲覧。 外部リンク [ ]• キングレコード• Type-A• - (2011年5月29日アーカイブ分)• Type-B• - (2011年5月28日アーカイブ分)• - AKB48公式サイト• - JKT48公式サイト• 横山結衣• 布谷梨琉• 井上美優• 御供茉白• 佐藤朱• 長谷川百々花• A、チームAキャプテン• 清水麻璃亜• 髙橋彩音• 吉川七瀬• 塩原香凜• 左伴彩佳• 歌田初夏• 鈴木優香• 服部有菜• 松村美紅• 橋本陽菜• 平野ひかる• 坂川陽香• 髙橋彩香• 永野芹佳• 福留光帆• 山本瑠香• 濵咲友菜• 徳永羚海• 奥原妃奈子• 蒲地志奈• 奥本陽菜• 春本ゆき• 行天優莉奈• 高岡薫• 立仙愛理• 吉田華恋• 川原美咲• 尾上美月• 山田杏華• 上見天乃• 藤園麗• 宮里莉羅• 4 研究生• SKE48の私立SPA! ノブコブとゼブラエンジェルの友ぱち3on3• SKE48の愛ドルPRIDE• SKE48のマグレの缶詰• 旅打ちエンジェル!! SKE48のはつのり! SKE48ゼブラエンジェルのガチバトル ぱちばん!! コレカケルアレ• SKE48のダシヌキ• SKE48 金のおむすび• めちゃんこSKEEEEEEEEEE!! SKE48・ゼブラエンジェルのガチばん!! ゲーム.

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